2020.2.27
初めてのワーキングホリデ
今田陽菜

 20202月下旬から3週間の予定で滞在しています、大学2年生の今田と申します。実は、今日で早くもワーキングホリデーが3日目となります。

 少しずつではありますが、この環境にも慣れてきました。ここで少しだけこの3日間を振り返ろうと思います。書き始めるとなかなか止まらない人なのでまあまあの長文になりそうですが、少しでも次のワーホリに興味のある方の参考になればと思い、精一杯書かせていただきます。

 仕事は早くも1日目から始まりました。初仕事は薪運びでしたが、
これが一筋縄にはいかない大変な作業でした。積んであるものを崩
さないようにバランスよく切り崩し、薪の形状や大きさを見極めながら
再度バランスよくトラックに積んでいきます。薪運びどころか薪にすら触
ったことのない私にとっては、戸惑いと挑戦の連続でした。しかし、寒く
なった部屋を自分たちの運んだ薪を使って暖めているとき、自分の力
で自分の生活をより良くしていくことの責任に気づきました。また、自
分が苦労して運んだ薪も、また別の誰かが夏の間に木を割って冬の生活のために準備しておいてくれたのだと考えると、先を見通した準備を怠らないこともこの「自給自足」の鍵なのではないかと感じました。

 同時期に滞在していたオーストリアのサンドラさんというwooferに佐藤さんは危険伴い、彼女につきっきりになるため、2日目は種もみを田んぼに撒く作業を全て任せてもらいました。説明は、「山積みになっている種もみをまんべんなく田んぼに撒くこと。」ただそれだけでした。使用する道具も撒き方も、何もわからないまま犬と一緒に田んぼに放られたため、正直、「どうしようやばい」と思っていました。しかし近くの田んぼから大きな、ざる(とうみ)のようなものを発見して、何となく自己流で作業を始めると、特に正解というものはないような気がしてきました。ゴールだけは決められていましたが、そこにたどり着くまでの道のりは私任せ。逆に言うと、それだけ佐藤さんが厳しさと信頼をもって私に大切な作業を任せてくれていたのかもしれません。後で本人に聞くとやはり、創意工夫しながら、自力で目の前の課題を解決することを実践するための機会を与えてくれていたそうです。頭と体を使って精一杯課題とぶつかり合う経験は、普段の生活ではあまり得られないものではないでしょうか。加えて午後は雨だったため、作業が休みになりました。それもまた一興です。 

 3日目は前日雪の天気の予報、忙しいご夫婦は日帰りで埼玉県蓮田市老人ホームに作品寄贈に行きましたのでこの日を休業日しました。そのため、急遽、観光協会の方にドライブに連れて行ってもらいました。冬は雪が積もって行かれない場所にも暖冬だからこそ、行けたこと、人だけでなく自然との出会いにも偶然性を感じました。

 全て学びになりますが、この3日間で学んだことは、この小さなコミュニティの中で最大限の経験を得るには、自分のコミュニケーション力と交渉力を駆使し、かつ積極的に機会を掴みに行こうとする姿勢が必要だと言うことです。逆に言うと、主体性さえあればお金以上の価値ある経験を得ることができる場所だと身に染みて感じています。それは佐藤さん夫妻の生き様や生活そのものだったり、寝食を共にしているwooferとの出会いだったり、阿賀町の素敵な人との出会いだったりします。またそれが佐藤さんご夫婦の元気な要因と思いました。

 明日の予報は雪。天気次第で明日の仕事が決まります。一見ギャンブルのようですが、自然に任せて自然と共に生きるこの生活がだんだん好きになってきました。明日も佐藤さん夫妻、サンドラさん、そしてかわいい犬と猫と共に頑張ります。

 
 百聞は一見に如かず