2006.12.25
森 紘一
手紙のあてな


賢太郎さんは、誰に手紙を書いたのだろう。マキ子さん?、ご両親?、ふくろう会の仲間たち?、その何れでもあり、それだけではないようだ。

「ギリシャからの手紙」は、貴重な体験記であり、制作裏話であり、国際親善物語でもある。その素朴な語り口は、しかし力強くズッシリト腹に響いてくる。
コスモロジカルな現代の桃源郷づくりをめざす我々にとって、この新しい作品の誕生はこの上ないx'masプレゼントであり、バイブルであった。

イオニア海に聳え立つ女神像に刻まれた、「融合=Harmony」というキイコンセプトは、次世代に語りつがなければならない我われの勉めのようだ。