2009.02.08
原点に帰ろう
森紘一

 ここのところ、次々とHP上に届く賢太郎さんの文章が楽しい。冬の豊実の情景が、和彩館の空気がそのまま伝わってくる。リアルタイムな感触はパソコンによる恩恵だろうが、メッセージに込められた賢太郎さんの言葉には素朴なアナログのぬくもりがある。
 「私は人生を消化試合のように終わりたくない」。これは、賢太郎さんの真摯な嘆息だとおもう。

 先日、噴火した浅間山の灰が150キロ離れた我が家に降ってきたのには驚いたが、日本列島には何と活火山が108もあるそうだ。地中の奥深くに潜む生命(いのち)の塊が煩悩の数に等しいというのも興味深い。         
   2009年の年明けは、日本だけでなく世界中に閉塞感がたちこめているが、浅間山の噴火も何かの警鐘なのだろうか。

今、この星に住む知恵者たちは心ひそかに自問自答を繰り返しているような気がする。ITと金融工学の破綻による世界的な経済恐慌やエネルギー資源の浪費による地球規模の環境汚染などは、すべて自制を失った亡者どもの暴走としかおもえない。なぜ、こんなことになってしまったのだろう、と。このままでは地球丸は沈没してしまうと、その表情には悲壮感すら漂っている。

  何かを変えなければならない。そこで、一国を司る政治家も企業の経営者も大きく舵をきる必要にせまられている。しかし、ここで求められる真のリーダーとは、危機に際して“足ることを知る”精神を伝えられる指導者である。個々人の生き方や暮らし方に反省を求め、「豊かさとはなにか?」を語りかけるトップリーダーであってほしい。

  この点を賢太郎さんは、コスモ夢舞台にふれながら「自然の摂理や循環を意識し、あるものを生かし必要な分だけいただく生き方のなかで、元気な生き方、自立をめざす」と語っている。

   「原点に帰ろう!」という賢太郎さんの呼びかけに、我われも「Yes, we can.」と力強く応えて生きたいものである(終)。