2012.10.26
今が冴える時
佐藤賢太郎

人間は歳と共に肉体は衰え、病気になる人が大多数です。20代のように走ることはできません、当然であります。人は歳を重ねるとボケが始まると言うけれど、私は64歳になって、自画自賛かもしれませんが、精神は衰えるどころか一番冴える時期を迎えているとさえ思える今日この頃です。つまり肉体は衰えても、磨けば、年齢と共にかえって精神は前進するということです。こう感じられるなら、高齢者に生きる希望が湧いて来るでしょう。

私はガンと宣告され、2年間、医師の指示に従わず『いのちの田圃』の指導を支えとし、自己責任の元、手術もせず、抗がん剤や放射線治療も受けず命がけの努力をしてきました。NPOガン患者学研究所代表川竹文夫さんから、2年たって「あなたは自然退縮達成。おめでとうございます」とハガキをいただきました。私があと一年このままならば、「治った証明書」を出しますと言われました。凄いことです。命が生き返るということですから。

私はガンになることによって、かえって人生を楽しむことができたと思っています。なかなかできない体験です。しかし退縮と言っても、私は今も緊張感があり、生きる一瞬一瞬に真摯懸命になれるからです。だから冴えを頂けるのかとも思います。

無理しすぎ、頑張りすぎの人がガンになりやすい。今までの生活態度を改めること、ストレスのかかる仕事も辞めることです、と指導されています。さしずめ私は、コスモ夢舞台のイベントを止めることが無理をしないことにあたると思いました。地域活性化も里山アート展も景観つくりの活動も全て中止する、しかしそれは私にはできなかった。そうなると、その人と対応する心を変えるしかなかった。人に評価されまいが、そんなことを気にしないで、ムキにならず人と接することにしました。

自分の生活習慣を変えることは、一日一日生きていることに感謝すること、命がある生き物たちを愛でること、イベントを楽しむこと、コスモ夢舞台の事務を分担していただくこと、などなど改めることはさまざまある。

コスモ夢舞台理事長として、来年は建設から食と健康を考えるフォーラムや、散策などソフトの企画をすすめようと思う。イベントを行うのは、その時だけ賑わうためにするのではない。人間が心底元気になるために、継続的に行うことが肝心だ。

それこそ、アートで何ができるかを発揮する時である。つまり創造性がとても大切である。感動して生きることは創造力にあるとさえ、私は思う。