2009.01.08
日本に向けられたヨーロッパ人の眼1
佐藤賢太郎

「日本に向けられたヨーロッパ人の眼・ジャパントゥデイ」というEU・ジャパンフェスト日本委員会の企画で、今年はヨーロッパ人写真家が新潟県を写すことになった。日本全国各地で開催されてきたが、新潟県はまだ実施されていなかったという。

当初、このプロジェクトは他人ごとのように思っていた。ところが、開催地が私の住む新潟県と知らされ、2月にはリトアニア人が我が家に泊まることになり、これは大変なことになったと思った。外国人の受け容れは既に何回か経験してはいたが、どんな方であるかわからないのは容易ではない。しかし、私がギリシャでお世話になったことを思うと相手も同じであろうと思った。 

「はじめて出合った人によって、日本人とはこういう人、これが日本と印象づけられてしまいます」と古木さんも言うが、いつの間にか、その役割が私になっていた。

私たち「コスモ夢舞台」がEU・ジャパンフェスト日本委員会からサポートしていただいていることでもあり、新潟県の住民の一人として協力するのも当然であるが、私がギリシャに行ったときのようにコスモ夢舞台の発展にもつながると期待したい。   

前年実施した県の報告書を見ると、実施県内からかなり大きな協力があったようだ。私にはそんなに力はないが、新潟県でやってよかったと言ってもらいたいという気持ちが自然に沸き起こっていた。  

私は古木修治さんと県庁や新聞社、美術館、企業の方々を一緒に訪問しながら、事務局長から写真プロジェクトの意義を伝えていただくことにした。前日の晩から新潟入りした古木修治さんに私たち新潟県に住むふくろう会会員3人で迎え懇談する機会をつくった。

1月7日、朝9時から私の車で古木修治さんと予定の各所の担当各位と面談することができました。2人で朝から夕方までフルに動き回った。古木修治さんはどこでも「日本に向けられたヨーロッパ人の眼・ジャパントゥデ゙イ」の意義を熱心に語った。かなりの知識、思慮深さと精神的にもタフでないと勤まらないと感じた。私は新潟市内が不案内で地図を片手に運転していたので、古木さんは少し心配の様子だったが、私が「スケジュールが一杯で大丈夫ですか」と尋ねると「そうでないとやりがいがない」との返事だった。

古木修治さんは「不況のこういうときにこそ芸術が大切である。ゆとりがないから芸術などと言っていられない、というのはどうなのか」と会員にも語っていた。ヨーロッパ人が日本の写真を撮り美術館で写真展をやりますという形式だけの説明ではなく、写真展の意義やなぜこうしたプロジェクトをおこなう意味があるのかを強く説いていました。
   今後どう前進できるか私にも今のところ解かりませんが、面談していただいた方々から「できることを検討させていただきます」という、前向きの姿勢がうかがえたことは第一段階としてありがたかった。
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   地元のさまざまな応援なしには動かないことは確かである。そして地元の方が自分たちの為にも、それを自分たちがやってゆきたいということが大切だと思う。『言うは易く行うは難し』である。