2005.11.10
森 紘一 
「奥阿賀・コスモ夢舞台」本番日誌                       

―11月5日(土)快晴
深まり行く秋の気配が静かにたちこめた豊実に着いたのは、午前9時半
前だった。蓮田からのマイクロバス組もほどなく到着した。それぞれの役割
分担を確認後、即、準備に入った。               

「蔵・銀河」のオープニング式典に祝辞をいただいた衆議院議員稲葉大
和先生は、ヘリで来場された。祝福と励ましに合わせて、地元の皆さん
への呼びかけも温かかった。続いて、県会議員、阿賀町町長の祝辞が
あった。最後に、ここに至るまでの経緯と公開の意味合いについて、佐
藤賢太郎さんから御礼をかねた挨拶があった。午後1時にはじまった会
場は、80名以上の出席者で賑わった。

蔵開きのテープカットの前に、

琵琶演奏で「石(意思)を動かす祝詞」が詠われた。“とほほつのおら 
とほほつのおら ~ かけあひえ”と、快晴無風の秋空にむかって大合唱
となった。「和彩館&ぎゃらりー」で開かれた親睦会では、ご来賓の方々
の祝辞が続いた。「蔵・銀河」をご覧いただいた直後の感想は、予想以
上に好評で、我われの夢が共有されたようで嬉しかった。

第2回縄文の風シンポジウムは、午後3時からはじまった。パネラーの先
生方は、それぞれ「1万年平和であったこと」、「必要な分だけ自然の恵
みをいただく生活」、「全てに魂が存在する観念の生活」を手際よくスピ
ーチされた。会場からは、1万年も続いたという驚きとともに、“そんな日
本人の原点をなぜ我われは学ばなかったのだろう”、“これからの生
き方として、縄文人を考えてみたい”といった声があがった。「蔵・銀河」が
こうした語り合いの場になることは、まさに、我われの望むところだった。

コスモ夢舞台コンサートは、演歌と琵琶演奏という異色の二部構成で、
午後5時からはじまった。伸びやかな演歌と悠久の琵琶演奏に、シンポ
ジウムに続いて、地元のお客さまをふくむ観客席の拍手が鳴り止まなかっ
た。

―11月6日(日)晴れのち曇り
第2回里山アートシンポジウムは、午前10時から、パワーポイントを使
った賢太郎さんの進行ではじまった。パネラーの美術評論家とのやりとり
も解りやすく楽しかった。会場からは、遊び心に火がついた程度の「ふくろ
う会」会員の作品群も賞賛され、恐縮至極だった。西会津芸術村の理
事長から“地元の理解と協力関係をどう築いていくか、一緒に考えましょ
う”、と提案があった。
12時半には昼食終了、13時には帰路となった。和気藹々の記念写
真の撮影は、笑い声が絶えなかった。再会を約束した明るいお別れだっ
た。(終)