2008.06.16
コスモ夢舞台滞在記1 
鈴木隆雄

  午前3時30分久喜の自宅を出て、阿賀町豊実の「コスモ夢舞台」に着いたのは8時少し前であった。空は晴れわたり朝の太陽の光が眩しく輝いていて、里山の村に爽やかな風が流れていた。

 33年間お世話になった私立高校を定年退職したこの夏、兼ねてより友人たちと共に築いてきた佐藤賢太郎さんが主宰する「コスモ夢舞台」を運営するスタッフの一員としてこの地に滞在することにしたのは、自然に囲まれた山村のなかで、自然から学び共生する文化・体験教育活動に参画し実践するためである。

 朝食を頂き暫し歓談の後、早速草刈の作業を始めた。草刈機の取扱、燃料給油の仕方などの説明を受けて、狐窪という元田圃に行った。草刈機を担いで山の斜面を少し登ったところに150坪ほどの平らな畑が夏草に覆われてあった。勢いよく草刈機のモーターを回し、片っ端から刈り取っていこうとの意気込みとは裏腹に機械は思うようにいうことをきいてくれない。奮闘することしばし、額にあせが滴るほどに徐々に慣れていった。

 夏草に覆われた畑をみていると、過疎化と高齢化の進行する山村の姿と、都会で進行する老人や若者の個に埋没した疎外感を連想する。この畑の草を刈り、山菜畑にするのは何のためか。手を掛けて作り出すいのちを愛しむ心を、コスモ夢舞台で発信する第一歩にしたいと思う。