2010.04.10
バジルス氏と盛り上がった話2
森 英夫

 三日目の28日朝、今日はいよいよアマリアーダにいく日である。

我々がオリンピアのホテルで秘書のバジリス氏が迎えに来るのを待っていた。

佐藤さんの話によるとどんな車で迎えに来るか分からないという。すべてがギリシャ流だという。時間だって、時間通りに来るかも分からないという。

通訳の景子さんの携帯に電話が入った。バジリス氏からだ。今、オリンピアの町に入ったがオリンピアホテルがどこだか分からないという。我々は、もう車がすぐそこまで来ているから、玄関にみんなが出て車を迎えようということになった。

果たしてどんな車で来るか。と思っていたら、大きなバスがホテルの玄関に横付けになった。えっ、こんな大きなバス!我々13人しかいないのに大型バスで迎えにきたのだ。

写真で見覚えのあるバジリス氏がバスから降りてきて佐藤さんが挨拶を交わし我々はバスに乗り込んだ。

しかしどうも気になることがあった。バスの一番前に美人が乗っている。ガイドさんにしては何も言わない。アマリア-ダに向かいながら分かった。彼女はバジリス氏の嫁さんだった。4年前にはまだ独身だったバジリス氏が結婚していたのだ。

バジリス氏はなんとべっぴんさんを嫁さんにしたことか。それも40代と思われるバジリス氏に20歳近く若い美人を奥さんにできたとは。なんとも羨ましいことだった。

バスの中ではまずそのことで盛り上がった。

そして、まず最初の訪問地、『ゴルゴーナ』を見に行き、次に佐藤さんの仕事場だった海岸に行った時だった。我々が海岸を散策していた時、奥さんがバスから降りてきてバジリス氏と仲良く歩いていて、海辺のベンチに彼女を座らせて彼が写真を撮っていた。

ちょうどそこに居合わせた私は、ツーショットで撮ろうかと言ったら、バジリス氏は喜んで私にカメラを渡し2人がベンチに腰掛けラブラブのポーズを私に見せつけシャッターを押させた。なんと幸せそうなカップルだったことか。バジリス氏が羨ましかった。

撮り終わって歩いてバスに向かった時に見たバジリス氏の顔はもうデレデレでした。