2009.12.

2016.03.01
「豊かな田舎ぐらし」構想に思う
小宮 和巳

 1月下旬、総務省と連携して「活力あふれ個性的な地域社会の実現をするため」いろいろな活動をしている一般財団法人地域活性化センターの「移住定住交流推進支援事業」の助成申請を予定しているとの佐藤さんからのメールが届いた。 

 一義的には、地方公共団体を対象としている助成金のようであるが、当該管内の団体に丸投げできることになっている。そんなことから、阿賀町管内でそれを受託することのできる団体は、コスモ夢舞台しかないということで、佐藤さんに打診があったように思われる。 

 「来たバスに乗れ」。そこで、直ちに「移住・定住・交流推進事業企画書」が作成されたのではないかと推測している。それは、助成金申請書というよりは佐藤さんの描く阿賀町の過疎振興にかかるグランドデザインのように見えた。 

 しかし、この企画書の取りまとめ作業の中から佐藤さんが今まで蓄積し、温めていた「豊かな田舎づくり」の構想に火が付いた。 

 助成金の有無はどうでもよい。採否の結果など待ってはいられない。構想を少しでも早く実現に向けて取り組みたい。その現れが、既に素案が作成されている「豊かな田舎ぐらし」のパンフレットであり、佐藤さんの最近の文章である。それらは、コスモ夢舞台の活動が新たな段階に差し掛かっていると訴えている。 

 「豊かな田舎ぐらし」の構想は、拝金主義や物質の豊かさが幸せのバロメーターだとする今日の風潮に対して強力なアンチテーゼになっている。 

しかし、田舎暮らしの持つ豊かさ、すばらしさに憧れ、認めながらもいろいろなしがらみや経済的な理由、田舎の暮らしに対する不安等の前で思い悩んでいる人も多いのではないか。 

 団塊世代が年金生活に入った現在、いろいろな体験メニューを揃えて都市との交流を強化し、発信することは時宜を得たものと大いに期待している。そのような実践の積み重ね中から定住、移住へ興味を持ち、実践する人が少しずつでも増えてくれば嬉しく思う。