2009.12.

2016.12.30
石に導かれて
大塚秀夫

  和彩館で食べた玄米もちは、絶品であった。こんなにうまい餅初めてでした。臼は木の臼ではなく、石臼です。その石臼は縄文を意識して作った作品です。ところが、郡山に運ぶ時、重くて車に乗せるのに苦労された。私もかたずける時これが大変な重量であった。しかし、佐藤さんの頭の冴えているところはここから始まるのである。アート作品が生まれる。 

 佐藤さんはひらめいた。「一人でも持てる軽い石臼を作ってみよう」
石臼の材料は黒。石の在庫が無くて、楕円形の石しかない。佐藤さんは言う。
不定型な形だからこそ、カットしたデザインを思いついた。
石臼の淵に梟を添える作品にされた。 

私は室内に飾るか、それともお庭かとイメージを膨らませながられ、あたかも湖のほとりに棲む梟をめでることができる。 

黒石は研き跡が見えてしまう。だから丁寧によく磨かなければならない石であり、何度も何度も研き直した。こんなことは初めてと言う。 

来年8月ギャラリーマスガで個展が企画されている。
増賀さんは「どんなに高くとも作品に感動すれば、買う人はいる」と言う。そのような作品を作ってくれという。 

時間をかければできるものではない。大切なインスピレーションの問題でもあり、石に導かれることなのだ。