2015.08.23
Claireと話す
佐藤賢太郎 

私はろくに英会話ができない、たどたどしい英会話の私であったがClaireと4時間も二人で話す機会があった。日本人同士だってこんなに長く話すことは少ないだろう。 

なぜ長く話せたか。第一に、それは私が遊和祭の開会の挨拶をすることになっているのだが、その時Claire もフランス語で少し話してというと、「何を話せばいいの、フランス語は皆さんが分からないし、嫌です」と言う。笑いながら、本当にその約束を守ってくれるのか、私の本心を探ろうとしている。私は約束を守るから一緒に行こうといって納得させた。 

第二に、森紘一さんからいただいた「羨ましいくらい充実した毎日ですね」との私へのメールの言葉を彼女に伝えたところ、「友達(森紘一さん)も人生を選択すれば良いと」言いました。人生は短い、だから選択の問題だという。私は世間一般の方を引き合いに出して、私は「選択と言っても、誰もができるわけではない、それぞれの環境や事情がある。あなたも私も恵まれている。だから選択すればよいと言えるのでないかそれは難しい問題だ」と言いました。意思の疎通がないと思ったのか、彼女は言いたい内容をフランス語と日本語の翻訳をパソコンから引き出した。しかしその日本語を見ると、その日本語が解らない翻訳であった。そこでフランス語を英文にしてもらった。そうすると彼女が何を言おうとしているか少しわかってきた。

クレアは「私はそんなに楽な生活をしてきた訳ではない。努力して得たものである。両親だって苦労してきた。そして夫婦は仲がいい。だから今日がある。人生は選択である。何もしないで恵まれていると一口には言えない」と言っているようだ。

だからこそ石運びや草むしりを一生懸命にできる素地があったのだ、と私は理解した。それにしても、稚拙な言葉を使いながら外国人とこんなに踏み込んで会話ができたことは初めてであった。それはウーファを受け入れての収穫であったと思う。また今日の会話を彼女は楽しんでいるように、私には思えるのであった。