2014.05.29
支援してくださる方に1
佐藤賢太郎

私はこの度、奇跡的にも再度ギリシャに彫刻制作に行くことになりました。それを可能にしてくれたのは、①ギリシャからお呼びがあった。②渡航を支援してくださる尊い方々がいた。③私には人生に賭ける夢があったからです。 

この決断は、がんが治ったという前に決めたことです。そして、相手から要請があったにもかかわらず、何度もメールで用件を送っても返答がないという日本では考えられないのんびりした相手でありました。当然、本気だろうかという心配もありましたが、私は挑戦しようという好奇心がありました。その意味では、人生の夢の賭けであります。さらに、このプロジェクトに連動しながらフランスでアートのパフォーマンスを行うことになりました。 

この企画は「絆プロジェクト」としましたが、彫刻制作を通して人と絆の大切さを目玉にしています。それだけではありません。日本の文化を輸出することに意味があります。輸出というと車やカメラなどのメイドインジャパンを誇りにしがちですが、むしろ精神的な面を誇りとしたい。

日本は世界と違う。非常時でも冷静さを保てる国民。夜、女性が一人で繁華街を歩ける安全な国です。それを支えているのが、真面目さ、誠実さ、勤勉さといった徳の高さでないかと思う。残念ながら、今日では礼儀の高い国とは言えないようですが。 

この優れた国民性でありながら、世界のリーダーになれないのはなぜなのか。ある外国人は、近視眼的、閉鎖性、排他的と指摘されます。私は、こうしたことにも自ら挑戦しようと思う。例えば、相手から返答がないのは誠実さがないわけですが、私は少しでも違いを認め合うこのできる人間になりたいとも思う。 

私は二度とないこのチャンスに挑戦します。帰国後、私は『ギリシャに架ける橋』と題して出版物を刊行します。そして「人生を輝かす」という講演も行う予定です。