2013.07.19
作品についての想い
佐藤賢太郎

 今回の個展は、開催できるチャンスも作品の大きさも、さまざまの変化の中で一期一会の心境で臨みました。そして何をテーマに作品を作ったのかと聞かれましたら次のように答えます。

 案内状作品「時の流れ」は10年前に制作しましたが、新潟県津川の狐の嫁入りのような物語を創ろうとしてとりかかり、作品意図をそれほど意識していませんでした。

しかし今回、私は気が付きました。国宝絵巻鳥獣戯画を借りて、私が彫刻家に踏み切ることから、これまでの自分の歩みを表現している様子でした。

 そして私は60余年の人生でガン患者になりました。これは私の人生の中で深刻な問題でした。自らのガンの話題を避けたいと思うことがあっても、作品にすることは難しいだろうと思います。そしてどのように作品化するのかこれが第一に難しい。稚拙ながら私は学び治すまでの過程を作品にしました。

  しかもあの日本橋高島屋画廊に並べました。そして生き物たちの命というところに辿り、さらに導かれ、手を付けたことのない新境地として、石が私に抽象作品を作らせたのです。多くの方に感動していただけました。

最後に一言「難ハ変革創造ノ時」。私の造語です。