2016.02.03
明確な目標
佐藤賢太郎 

かつてのプロ野球のスターが薬物所持で逮捕されるニュースが度々報道されています。言うまでもなく、その人は清原和博容疑者であります。また、オリンピックのメダル受賞選手がその後、栄光から挫折の人生を辿ることもままあります。 

余談ですが、最近はスポーツで有名になると現役を辞めた後、すぐにタレント活動をする傾向があります。ところで人間は、自分を高める目標がなくなると、良い意味でストレスがなくなってしまう。すると、自分をコントロールできなくなり、そこに隙間ができるのでしょう。凄い、凄いと言われた人、何か一芸に秀でている人を見ても、そんなものかとクールに感じます。精神的に自分を磨く努力を常にしていないと、自分が掘った深い落とし穴に落ちてしまう場合があります。そう考えると、人間の価値とはなんだろうかと思います。少なくとも私は、物理的に何かができる人を偉いとは思いません。

私はガンになって治そうと努力している時に、「あなたは治ったら何をしたいか」書いてみてくださいと、「ガンの患者学研究所」からテーマを与えられました。

私はこう思います。少なくとも人に迷惑をかけない、できれば人の役に立つ働きのために生きようとする強い目標をもつことだと思います。何となく淡い目標ではなく、明確な目標があるとその人は自らを高めようとする努力ができると思います。自らをコントロールできるようになると思います。 

ある意味でストレスが極度に高まったとき、あるいはその反対に緊張感から解放された緩みに、自分で穴を掘って落ちてしまう場合があると思います。他人事でなく、振りかえれば、私もそういう時があったと思います。ただ、大自然というか自分以外の力によってブロックされたのでしょう。 

そう思うと、幸、不幸も紙一重ですね。だからこそ、「吾、唯、足を知る」が大切です。自分に言い聞かせるためにも、7月13日、日本橋高島屋の個展で「吾、唯、足を知る」の作品を制作します。ただ作品に重量があり、どのように運ぶか、今からどうしようか検討しています。 

ついでに一言、私には死ぬ前にどうしても制作して遺したい作品を温めております。その作品はデパートでは重くて展示できません。きっと野外の設置になるでしょう。