2014.12.17
横浜と豊実
佐藤賢太郎 

12月13日(土)過疎の雪国に住む私は横浜にいた。横浜は別世界であった。青空の見える素晴らしい天気であった。「日本ウェラー・ザン・ウエル学会」のシンポジウムに参加するため、時崎庸二さんの運転するクルマで横浜に行った。シンポジウム開会まで1時間半も早く到着したため、周辺をドライブすることになった。

横浜の「みなとみらい」はギリシャより、フランスのパリより安全で美しいと、私は思った。世界中で一番美しいところが日本かもしれない。わざわざ世界旅行などしなくてもと思ってしまう。もっとも、少しは海外をまたいだからこそ、そう言えるのだろう。

横浜は私の故郷とは全然違う、まるで外国に来たようである。私の故郷は、人間とサルやタヌキがいつも同居しているところ。横浜は近代的な洗練されたビルや構造物が立ち並んでいる。良き気分転換である。

帰宅当日、テレビのニュースでは雪が降っているらしい。豊実に到着。いつもは広い駐車場に車を止めるのだが、雪が一杯積もっていて車の止めるところがない。到着早速、雪片づけが始まった。僅か300キロで豊実は大雪、こんなにも違うのか。日本列島は山を境に全然違う気候である。日本海側にすべて雪をおいて、太平側には冷たいが乾燥した風だけが吹く。

翌日から雪片づけが仕事になる。雪国のほとんどの方は、この雪がなければ良いところなのにと言う。本当にそうである。しかし思い方を転換すると、いいこともあるのでないか。否応なしに、この自然の中での暮らしは、辛抱強さや忍耐力が付く。そしてひたすら春を待つ、その春の喜びが一入感じられるのである。人間には、辛抱強さや感動する喜びは大切なことである。高いお金を払って、トレーニングジムに行かなくてもよいのではないか。そして無農薬の米や野菜を作れるのである。

私は両方を体験できる。この変化はとてもいいのではないかと思う。私にとって、冬は本をじっくり読み、雪の中で自然を味わう季節である。