2008.05.19
これから一段と輝く人(3)

 山菜に続き、和彩館で急に脚光を浴びてきたのが薪で炊くご飯である。その光景だけでも絵になるが、このご飯の香りが懐かしく、ふんわりとして美味しいこと。電気釜のメーカーが手を変え、品を変えてこの品質に近づけようと競い合っているのが改めてよく分かる。

 これをできるのが佐藤さんのお母様、御年85歳である。昔取った杵柄、何十年か前の記憶と感を取り戻しながら、毎日炊いてくれる。

 また、これを続けるためには、細かい薪が必要となる。この部分を担当してくれるのがお母さんの弟さんで、佐藤さんの叔父様83歳である。隣町の西会津からご自身の車を運転して見えられる。穏やかなお人柄に加えて車の整備、道具の手入れ等何事につけてもきちんとされている。
 呆然とするほど山積みにされた小枝を丹念に細かく切って束にする作業が延々と続く。昔は、「春木山」といって農作業のはじまる以前のまだ木々の葉が芽吹く前の作業のしやすい時期に100束も作ったのだそうである。
  これも縄文から続く人間の智恵だと言う。こんな話を聞いているだけでこちらものどかな気分になる。

いつも言っていることながら、コスモ夢舞台は人も物も活かされることによって輝く場所である。そして、自分も負けてはいられないとまた、元気をいただく。(御沓一敏)