2013.05.28
今年の米つくり1
佐藤賢太郎

 無農薬米をつくり始めて4年目になる。3年前は一反6俵強、一昨年は一反で4俵だった。しかし、虫に食われコメに斑点が多かった。昨年は一反で3俵という最低の収穫量であった。恥ずかしくて人に言えない。それを反省して草刈りを頻繁にし、除草もしたが稗がものすごかった。稗に栄養分をすべてとられたようなものだ。稗抜きに泣かされた。まるで稗を栽培しているようであった。今年はこれ以上収穫量が下がることはないだろう、そんな気がする。

 これまでは米つくりを全然知らないで、ただ無農薬米を目指していただけであった。米つくりには水管理と草刈りが非常に大切である。水管理は昨年も、一日に2度行っていた。しかし田んぼが水平ではなく、田んぼの土が現れているところもあれば、苗が水に沈んでいるところもあり、これでは水管理ができなくなってしまう。水が少ないと草が生える、そこで除草剤を使うことになる。昔は除草剤などなく、ひたすら手で草を抜いていた。さぞかし辛かっただろう。

田植えの準備で田んぼをドロドロにすることを「しろ搔き」という。その後、「えんぶり」という農具によって田んぼを平らにする。今年も厳しかったが、これをやるには田んぼの中を一万歩は歩く。それでも田んぼは、平らにはならない。もう「えんぶり」3年目である。来年はもっと良くなるだろう、気の長い話である。

 昨年と違うのは、田圃に水を多く入れていることである。一部苗が水面に隠れている所もある。苗が死んでしまうことになります。田植えから一週間たって除草をしたが、もう田んぼには草が生えていた。

そして無農薬で米つくりしている清田さんが、今年は何度もアドバイスをしてくださる。私の田んぼは、誰もが見られる展示場のようなところにある。「水が少ない。もっと入れないと雑草が生えてしまうよ」、「分けつしたとき、硫安を反7キロくれるとよい。そして稲の花咲くころ、カリを入れるとよい」などと電話をくださっている。

無農薬米は誰もが欲しがるので需要はある。しかしそれを作るのは苦労がつきものである。無農薬米をつくりたい一心で、誰彼となくアドバイスをいただいてきました。私の田んぼに何が適しているか、試行錯誤しながらも米つくりを覚えている次第である。

今までは、水管理や草刈りは面倒であると思っていたが、今年はある意味では楽しい。今年は、昨年のように草は伸びないであろう。水見は自然との対話の時である。まるで生きもののようである。一日に3回も見ることもある。水管理は複雑である。水口は3箇所になっていて、それぞれに調節しなければならならない。一つは3つの田んぼに連動している。もう一つは2つの田んぼに連動している。そして古代米は単独(冬期湛水)である。

 分からなくても、苦労してやっていると見えてくることがある。米つくりは決して楽ではなく、忙しい。しかし、田んぼ夢舞台公園を見ながら理想郷が出来上がってくることがとても楽しい。

そして健康であるからこそ田んぼに入れるのです。さらに大地との繋がり、自然との共生を感じます。何と有難いことかと感謝しています。

 その田んぼには、イモリ、ドジョウ、オタマジャクシが見られます。そして蛇のなんと多いことか。カエルを口にくわえている蛇にも出会いました。

今年は、米の収穫がどれだけになるか楽しみです。