2010.08.22
除草薬を使わない限界に
佐藤賢太郎

理想を持って、除草剤を使わないで米を作ろうと行動した。除草剤を使わないことは人間の体にもいいし、田んぼの生物にとってもいい環境であることはいうまでもない。

 ところが穂が実りはじめた今、一斉に稗がものすごい勢いになって、一面稗の田んぼに成ってしまった。仕方がなく稗ぬきが始まった。自分がやってみてわかったことだが、ものすごくきつい作業である。素足で泥田に入るしかありません。足が抜けないので素足になるのですが、それでも稗を抱えて田んぼの外に出すときはふらつきます。そして目白(虫)アブがいやおうなしに刺すのです。おそらくこれを今時やる方はそんなにいないだろうと思う。昔はみんな稗抜きをしたそうだが、今はとても出来ない。

 稗抜きは朝しか出来ない、なぜなら日中は暑いからである。私は2回くらい抜いたが、あまりの多さに、もうあきらめた。     

「来年は除草剤を使うしかない」と言うと、「理想ばかり言って、あなたは農業に向いていない、簡単に理想を言わないで」と家内は怒る。家内は、私はやりますと言って稗抜きを朝6時から9時ころまでやり通しています。気は強いが、こんなところにもやりぬく長所があります。

 田植えをしてまもなくの頃、稗ぬきをするとよかったと言うが、そんなことをやっている暇もなく、しかも稗と米の区別が出来ない状態でした。

 でも来年はやめます。農業が専門ではないので、とてもやれないからです。今から脱帽です。今年の米だけが除草剤なしの有機エコ米になります。きっと貴重な米になるでしょう。ともかく、目下悪戦苦闘の米つくり進行形です。なんでも実践とは語ることに比べ数段厳しさが伴います。