2014.04.18
農業体験に学ぶ
大塚秀夫 

心の教育を行う塾で講演会を佐藤先生が実施いたしました。都会に生活をすると便利さの中で人が失っていくものがあります。それは感謝の心ではないでしょうか。 

佐藤先生が埼玉に住んでいたとき、「自分の選んだ道なのに作家としてのスタートはその日暮らしのようなもので、両親の送ってくれた米でおにぎりを仕事場で食べるとき、両親が真っ黒になって働いて作ったお米を思うだけで、泣けてきた思い出がある。」と語られていました。お米にはそんな思い出が離れない。佐藤さんが彫刻家になったころおにぎりを食べながら涙が出てきたといいます。

豊実では冬は豪雪地帯であるが、雪解け水が貯えられ阿賀野川に流れ、日本海に流れています。この新潟の土は栄養分に富んだ稲作に適した超えた土地なのでしょう。縄文人がすでに豊実に住んでいたのです。 

私は退職したら自然のリズムを感じたサイクルで生活をしたいと思いました。豊実で農業の研修をする予定です。

佐藤先生は農薬、化学肥料を使わないで無農薬米を作ります。病害虫を防ぎ、雑草から守るには大変な手間がかかります。だからこそ米つくりの一部にかかわりながら口に運ばれる間、どれだけの手間がかかっているのか自分自身が体験したいと思いました。

 先月29日に味噌つくりの後、田おこしを行いました。雑草が根を張り、鍬を入れておこすのですが、大変な労力でした。腰も腕もパンパンに張りました。桐山さんも古田さんも山口さんも塾長もみんな頑張りました。 

佐藤先生から「もう農作業は始まっているよ。待っています」と言われます。 

農作業は田おこしが済んで、水をはり水田を作ります。田植えが始まります。稲が土の中に根を張って大きくなっていく間、こまめに水の管理をします。水を出して深さなども調節します。稲の根がよく伸び土の養分を充分に吸収できるように整えるのです。よく見ると山の水を取り入れる用水路・排水路と田圃に水を行き渡らせる工夫がされているのです。すべて佐藤先生が排水路を工夫させて小さな生き物たちが泳いでいます。太陽の力を借りて8月には穂をつけて草刈、稲刈り、脱穀、乾燥、もみすりと農作業体験が続く予定です。
日本橋の某デパートでは農薬減50%農薬米が販売されています。何と5キロで3938円です。30キロ23628円です。コスモ夢舞台米は無農薬米で30キロ15000円である。実にお手頃価格で安いと感じます。

 収穫が終わった田圃で里山アート展を開催している。昨年で10回を数えます。アートで何ができるか。アート展を会場となる米を作る田圃がひどかったら、里山アート展を好意的に見ないでしょう。よいコメを作って初めて理解の一歩があると佐藤先生は言われます。耕作放置の田圃を復活。メダカの泳ぐビオトープつくり、無農薬の田圃でつくる米つくり。無農薬畑からできる作物、それを使った料理を提供できる食事処とつなぎ、続けてきた。やり続けていることにすごいことだと思います。 

2009年に佐藤さんは『田圃再発見として、先祖たちが山や沢を切り拓いて苦労辛酸して作った田んぼは、今や効率が悪いため杉林や原野と化している。私は何もしないのではもったいないと思った。何かに生かそう、活かせないか、そこで思いついたことは二点。 

1.食の米を得る為に、苦労してこんなところまで田んぼにしていたという足跡を考え感じること。 

2.その田んぼのかけらでも見えるようにして、一株でもイネを植えること。水芭蕉の植栽やクレソンや水生昆虫、その他の生き物の棲みかを作ること。 

   既に田んぼの原型が見えるように仲間と切り拓いたが、これを実現することは易しいことではない。共感し、夢をもつ人がいないととてもできない。』

場所は行くだけでもたいへんでなところです。昔の人が言う、「米粒ひとつもったいない」とした気持ちがよくわかります。

そのような豊実での体験学習で子供たちは、命の大切さを学び、田植え体験は食育にもつながるでしょう。子供の可能性を引き出し、想像力や問題解決能力、自然に対する畏敬の念、豊かな感性を育むコスモ夢舞台塾は生きる力を育むのです。