2012.09.12
ワークショップ
佐藤賢太郎

里山アート展は、プロの作家から素人、小学生、身障者と出品者の幅が広い。バランスを取りながらアートを考え、楽しみ、それがどんな役割を果たすことができるかを問いかけている。予算がない中で作品点数を多くしたいが、数集めのために内容は何でもいいということではなく、年々内容の質も上げてゆきたいと思っている。

プロとしての参加者への希望は別の機会に譲り、日頃制作などに携わっていない、いわゆる素人の方に語りたい。いきなり素人の方に作品を作って、と言っても難しい。仮に作ったとしても、それがアートになるかどうかは疑問だ。少なくとも私は、私なりに価値の基準を設けている。そうでなければせっかく参加してくださるプロの作家にも申し訳ない。

里山アート展には第一回から参加している間地紀以子さんという作家がいますが、彼女はもちろん個人として作品を制作しています。しかし間地紀以子さんは、それだけではなく小学校の生徒とともに作ることもしている。まさしくワークショップです。作家の創造アドバイス、制作準備、共に作り上げる喜び、そうした様子を見てきました。素人の方が里山アート展に出品するには、このワークショップという形をとりたい。おもうまま、そこに置くのではなく、プロのアドバイスを受け、自らも考え、作品を作ってみる。そこに今まで自分が気付かなかった感動や発見がある。自身も未知の分野に入りこみ、人間の幅を広げる機会を得ることになるのだろう。 

そして里山アート展では、自分は作家ではないから作品は作れないという概念を取り除かれるだろうと思う。プロも素人から始まった。 

質は別にして、同じことを繰り返して訓練してゆく中でプロになる。プロならば常に感性を磨くことに努力しなければならないと思う。(プロとは一般的に制作で生活している人ということになりますが、厳密に言えば、一口で語れないことは言うまでもない。)

ともあれ、里山アート展を継続発展するためには草刈りや作品の出品に努力が必要です。こうしたことを理解して参加して下さる方々よって、里山アート展は9年目を迎えることとなりました。