2009.10.28
里山アート展見学風景6
佐藤賢太郎

本日、東京から作家 (まち)紀以子さんの友人高橋さんご夫妻が豊実駅に下車し、間地紀以子さんの作品をみようと里山アート展の見学にお出でになられた。和彩館で‘和彩館御膳’を召しあがっていただきながらお話をさせていただきました。
   高橋さんは若いとき映画の世界にいて、小津安二郎監督、木下恵介監督の元で助手をされ、後に演劇の世界に入り脚本を書いていたそうです。        

私は、「コスモ夢舞台は感動ある人間交流の場、言い方を変えると現代の桃源郷つくりです。何をもってそうするのか。それは具体的に4つであります」と申し上げました。

私は過去に演劇鑑賞に行くことはあっても、その世界に入ってみたいと考えたことは一度もなかった。そして、「今まで演出などは演劇の世界のこと、彫刻家として生きる世界とは別のことだと思ってきましたが、最近コスモ夢舞台をすすめてゆくなかで、まさに演出力がなければ面白くもないし、先に進まないと感じてきました。演出とは作り事ではなく、生き方の創造力なのだと思うようになりました」と、演劇に生きてこられた人生の先輩、高橋さんに言いました。高橋さんはうなずきながら、「そうですね」と言ってくださいました。
   
   さらに私は「ここはコスモ夢舞台という舞台で、ここに来てくださる方はみんな劇場に参加する役者だと思うようになりました。いろいろな登場人物が、次から次にあらわれて個性的な演技をされます。登場者は皆俳優です。ただ登場する通行人では面白くない、そこに演出があって、ドラマになり、何か社会性をもつとともに現代において何が感動するのかを考えます。そして一番に動くのが自分の役割です。だから人生の演出をしているのではないかと思うのです」と言いました。

高橋さんは、「なんだってそうじゃないですか、基本は人間関係です」とおっしゃるのです。私が、「脚本つくりと言うと現場に出て俳優のように動かないから人間関係がないように思いますが」というと、「そうではありません。この脚本を書くにはどの俳優が合うか、しかし俳優の事務所の事情もあったりします。また、大道具を動かす運搬車を何処にしようか、それもまたスッタフのようなものです。つまり、演出力が要ると言うことです」、と高橋さんは答えられました。
   なるほどと頷きながら、私は「里山アート展を開催するには、そのためのいろいろな努力が必要です。助成金の確保や理解していただく作家の受け入れもその一つで、いろいろな要素ができてはじめて里山アート展が開けることを感じています」、と申しました。               

さて、里山アート展会場まで小春日和のよき日、歩きながらご案内をしました。蛍の小川、かわになの説明をし、メダカをお見せしました。里山アート展を見学された後、滔滔亭に座りながら穏やかな川の流れを前に、「観光客がいないのがいいですね」と笑いながらおっしゃっていました。そして、「今度は冬の景色を見たい」といってお帰りになりました。