里山アート展に参加して3
[二年目の壁画制作によせて]

                       丹野 有美子

昨年制作のために豊実を訪れた時とうって変わり、素晴らしい天候に恵まれました。澄み切った空気、青空の元、稲刈り前の黄金色の田圃を背にして、描いているだけで幸せな数日でした。

昨年は壁面へ当たる雨を防ぐ為にたくさんの方々が手を貸してくださいましたが、それでも矢張り塗った絵の具がすぐさま垂れてくる水滴に流されて、涙をこぼしているような情けない絵になってしまいました。

それ以来何とかしなければと気になっていたのですが、まずは好天に恵まれた事と、壁画の真ん中の部分を新しく参加してくれた牟田口さんが、昨年の下地を生かしつつ、背後の豊かな稲穂の大群に守られながらそれに劣らぬ素晴らしい作品を描いてくださいました。

   その中央の豊穣を表すかのような表現に対して、左右は阿賀野川を抱く天と地の静謐の時を想い、色調を押さえたものにしました。この部分は長谷川千賀子さんと私が担当しました。

   全体として、まずはまとまったものになったのではないかと、ほっとしています。     (2009年10月)