2008.05.1213
体験学習・聖徳学園中学校生

5月12日の午前、東京都より聖徳学園中学校・男生徒4人が到着、そのまま石夢工房の方へ来てお互いが紹介し合い、いつもどおり佐藤さんより基本的な約束事の説明があった。

4人ともニコニコと笑顔の素敵な、明るくいかにも素直そうなこどもたちである。聞くところによると、班長のK君は開校式の代表挨拶でそのことを学校の特徴として述べたそうで、実に素晴らしい校風である。

早速、前回の続きである畑に運んだ堆肥を今度は畝の横にまく作業を一緒にやる。カブトムシの幼虫かなと思える大きなものにA君が大変興味を示すとみんなも同調する。休憩時間には畔に出ているワラビを採る余裕もあって、午前中には全ての予定を終えることができた。

昼食後は、別の畑へ行って、タラの芽を採ってもらう。はじめての経験だと言いながら賑やかに交代で柄の長いハサミを使う。夕食に皆が食べられるだけの収穫はあった。

その後、石夢工房のまわりで薪割り体験をしてもらう。こちらが怪我だけはさせてはならないと思っているため、その波動が伝わるのか、全員がへっぴり腰でなかなか思うように割れない。余り理屈ばかり言っていても仕方がないので気長に自分でコツを掴むまで、実践を繰り返してもらう。一人、二人と割れるようになったが最後に残ったのがもう一人のK君である。付きっ切りで一緒にやった結果、自分の力で見事に割れた。その時のうれしそうな顔が今も印象として残っている。

その後は、風呂の火焚き、さらには特別に佐藤さんの崖下で命綱をつけてのウルイ採りの実技を観てもらう。山菜は料理しだいで大変美味しくいただけるが、採るまでに大変な労力がいること、山里での生活の一端を少し味わってもらえたと思う。

最後の一働きで自分たちが割った薪と前日、筆者が割ったものをトラックに積み、縄文館横に降ろしてもらう。文句の一つも出るのではないかと心配したが、最初と全然変わらず淡々として作業をすすめている。生徒たちの発案で、リレー形式の手渡しの体形となり、掛け声よろしく瞬く間に作業が終わった。見事なチームワークである。

作業の後はゆっくりと桃源の湯で汗を流してもらう。良く働いただけあって、食欲も旺盛だ。夜間ではあったが、興味がありそうなので、美術館へ連れて行く。感動したといいながら、感想と住所をきちんと記帳している。これも体験学習に来た生徒としてははじめての例である。

目覚めも早かったので、縄文館を案内する。歴史の勉強はまだやっていないとのことであったが、全員が真剣に耳を傾けてくれる。

私たち3人だけでなく、佐藤家のお母さんまでも実に良い子たちだったと誉めていた。明るく素直に喜んで働くということがこんなにも周りをさわやかにさせるということを改めて生徒から学ばせてもらった体験学習である。(御沓一敏)