2010.05.25
楽しい少女たち
佐藤賢太郎

家内が「元気のいい女の子だよ」と私に言った。どんな意味なのかと思いながら、中2の女子生徒たちと対面した。「こんにちは」と明るい声が返ってきた。

家内を「何と呼べばいいの? マッキーが親しみあっていい」と生徒たちが言うと、家内は「それはだめ。けじめだから、お母さん、お父さんと呼びなさい」と言ったそうです。それで、私はお父さんと呼ばれることになった。車に乗るときは、言わなくとも「お願いします」と彼女たちは挨拶をする。

例によって、桃源の湯に案内し1時間後に迎えにゆくと、彼女たちは上機嫌で谷間に向かい何か叫んでいた。都会では体験できないことに感動しているようであった。

食事の時間になって明るい会話が弾んだ。将来何になりたいと聞いた。「小説家」、「海外の人と交流して、マッサージ師」、「兄を見習って学校の先生」、「乗馬をしているので馬のマッサージ師」などと明快に答えが返ってきた。一人の子が家内に「母さんの夢は何だったのですか?」と質問をした。家内は「スチュワーデスだったのよ」と言った。すると少女たちの誰かが「今のほうが幸せじゃないですか、こうして店を開いてお父さんと2人でいろんな人と話し合えて、とてもいいな」と言った。

 食事が済んでいつものように皿の後片付けをします。ところがなんと彼女たちは皿洗いまでしてくれました。家内が「いつも家でしているの」と生徒に聞くと、「していません」と言う。      

 その後、コスモ夢舞台の夢つくりをパワーポイントで見せた。そして彼女たちは、百人一首を声高らかに楽しみながら夜を迎えることができたようです。

 翌日は、風呂焚き、風呂掃除、巻き割り、ナスの苗の植え付け、魚釣りなどをして過ごしました。さらに、ろうそくだけの灯りで風呂に入る体験もさせました。ともかく忙しかったが、素直で可愛い子達から我われも元気をもらいました。