2008.05.08~10
体験学習・Y中学校生

5月8日の夕刻、千葉県よりY中学校・男生徒4人が到着、そのまま石夢工房の方へ来てお互いが紹介をした。まずまず明るく挨拶もできる子供たちのようである。佐藤さんより、ここでは単なるお客様としてではなく、見知らぬ田舎の人と接することによって、生活ルールの大切さ学ぶこと、特にお互いの、また、地元の人との挨拶の徹底が促された。

到着も遅かったので、そのまま桃源の湯に入ってもらう。好き嫌いがある子もいたと思ったが、山菜尽くしの手料理が美味しいのか、4人とも見事なくらい食欲がある。こんな光景は久しぶりだ。
  部屋に入り、最初は賑やかだったが、早くに就寝したのか、やがて静かになる。次の日の早朝、船渡大橋を越えたところまで散歩をした。いろいろ話しかけるが男の子は、寡黙で会話が通かないし、素晴らしい景色にも余り興味を示さない。
   少し冷え込んだ朝だったので、早々に切り上げて薪ストーブに火を起こしてもらう。灯油やガスならスイッチオンで火が点くが薪となると簡単にはいかない。燃えやすい物は何か、逆に火持ちの良いものは何か、空気は、炎はどちらを向くか等々、理科の勉強が実践で役に立つことを感じて欲しいと願って説明した。

朝食後の体験は、石夢工房の脇にある堆肥を畑へ運ぶ作業である。トラックには3人しか乗れないので、ローテーションを組みながら後の2人は自転車で坂道を往復するということにした。スコップで土を掘るという作業と合わせて、大変だったらしく昼食後は4人とも爆睡状態であった。

美味しい料理に欠かせない野菜を食べるのは簡単だが、生産するにはこうした土つくりから手間が掛ること、将来、仕事を選ぶときにどのプロセスで自分は関わるのか、いずれにしても、楽なものはないことを話して聞かせた。

午後からの作業は、13時30分からと伝えておいたが、いくら呼んでも応答がない。こんな事ははじめてである。何とか起して、今度は少し軽めの風呂焚きと風呂場掃除をしてもらう。風呂焚きといっても燃えているところへ杉の葉を入れるだけであるから、皆、目を輝かして喜んでやっている。火というものへの関心は、人間が生まれてこの方共通のものらしい。

その後は、タラの芽の若木を17本掘り起こし移植した。早速、夕食にはタラの芽の天ぷらが出たが、こうして大自然の恵みと循環が感じられるのは田舎ならではのことであり、食事前の「いただきます」の挨拶にも大自然への感謝の言葉を添えた。

   余ほど、疲れたのか、最終日の朝も爆睡は続き、制限時間ぎりぎりに目覚め、起き抜けのまま食事を済ませて、慌ただしく集合場所へと向かった。短い体験学習ではあったが、心の片隅に少しでも想いでとして残ってくれればありがたい。(御沓一敏)