2008926
コスモ夢舞台滞在記6
鈴木隆雄

体験学習を受け入れて3

今私たちの身近に起こっている出来事の不安と混沌。それは、「食」の問題、「経済」の問題、「政治」の問題と世界規模に広がっている。「食」は偽装から異物の混入、「経済」では金融危機の世界的な広がり、国内の「政治」では大衆と政治家の乖離、海外での地域紛争と飢餓等々。

このような不安と混沌の中にあって、佐藤賢太郎氏の主宰するコスモ夢舞台は、身近な生活体験を通して「創造と再生」を目指している。それは、自然に囲まれた里山という環境を舞台に、「アート」「農」「教育」に主眼をおいた。

「教育」では、その一環として中・高生の体験学習を受け入れている。今回、関東から来た中学2年男子生徒を受け入れ、民家体験をしていただいた。「食」と「労作」を大切な柱とした体験項目としている。子どもたちの潜在する能力を引き出し生きる力を育む夢を描いている。

3日間の短い期間ではあったが、子どもたちの食欲は旺盛で気持ちが良かった。地元産の米を竃(カマド)で薪を燃やして炊いたご飯。山菜や畑で作った野菜も使い、マキ子夫人の見事な手さばきで調理したおかず。朝6時半から朝食前の作業が一層食欲を増したようだ。チエンソウや鉞(マサカリ)等の道具を使っての薪割りも一所懸命子どもたちは挑戦した。雨の中、急遽里山アート会場の雨よけのため庇状にビニールシートを張る作業も積極的に手伝ってくれた。2日目には、昼食に流しソーメンを食べようと言うことになって、朝食前、地元の方の好意で豊実発電所の敷地内を通って竹取に行った。

この3日間、子どもたちは貴重な経験をすることが出来たと思う。