2016.02.14
地域に根差す人材育成の必要性
佐藤賢太郎 

移住の希望があっても、そこで暮らすには村人との人間関係が上手くいかないと、とても住むことができない。現にこの地域に移住してこられた方で、地元の方と折り合いがうまくいかず戻ってしまったケースがありました。行政は物理的な空き家の紹介は出来ても、人間関係まで調整はできません。その苦労を体験した私などが、見えないかたちで間に入ることは重要なことです。   

そして、田舎暮らしをするには教育というには僭越ですが、向かう方向が大体同じであること、何が大切なのかそれを勉強することが大切です。それも人材育成と言えるでしょう。そして冠婚葬祭などを考えると、田舎といえども最低限の収入がないと暮らせません。

そのための経済的働きは、田舎で今までやっていないことに挑戦すること、そして独自の発想、実践を必要とします。その発想転換に人材育成が絡んできます。つまり、あるものを生かすアートの創造性が絡んでまいります。

今日、田舎では後継者、つまり農業の米つくりの担い手がありません。それを補うのが移住者だと思います。しかし、移住者は技術も機械もありません。それを手にするには、何より大切なのが人と人を結ぶ役割、コーディネーターの存在です。繰り返します。限界集落を希望の持てる所にするには、新たな創造力、行動力、発想力が必要です。その原点にアートの発想が繋がってきます。 

移住希望者に、それらを学ぶ機会を設け、話し合いたいと思います。また並行して、都市近郊でのシンポジウム開催にも繋げてまいります。販売とか輸送、農業などはコスモ夢舞台の会員だけではもう間に合いません。今日では、もはや会員以外の人の力が必要となってまいりました。それをどう融合していけるか、それには、更なる人間力を向上させる必要性を感じています。ここまで来ると、もう彫刻だけでは済まない領域に入りました。 

特に将来のある若者や大学生は、こうした生き方を考え、学ぶ機会が必要になっていると思います。