2011.01.08
「田舎と都市を結ぶフォーラム」を考える1
(森林資源活用)
佐藤賢太郎

今年、コスモ夢舞台ではと「田舎と都市を結ぶフォーラム」を開催いたします。日本の諸問題は一杯ありますが、足元を見据えて、都市と田舎を結ぶフォーラムにしてみようと考えました。

その一番目は過疎問題である。過疎になると経済の衰退が進み、田んぼや畑が使われなくなる。児童が減り学校が併合される。仕事がないから若者は都市に出てゆく。高齢者だけが残り、デイサービス、老人ホームなどの福祉のバスが盛んに行き来する。これは阿賀町だけのことではなく、日本全国に共通する問題である。

   果たして、このまま経済活動が盛んな都市にばかり人間が集まってよいのだろうか。私は都市と田舎の適度なバランスがとれてこそ国が成り立つものと思っている。

 どのようにしてこのバランスをとるのか。いうまでもなく、田舎での仕事を作ることが必要であると思っている。その仕事は、国政や地元行政の施策や民間活動、観光、農業などいろいろあると思うが、まずは地元にある資源を活用することが大切だと思う。

日本の国土面積の66パーセントが森林だそうです。阿賀町においてはほとんどが森林です。今日、人工的に植林した杉は利用されているのはわずかで、ほとんどが放置されているのが現状です。

戦後、日本は農林省指導の下に全国いたるところに杉が植林され、杉林山を多く持つ家は資産家と言われた。杉の木を売るとお金になったからである。ところが今日、杉の木を切って売れば赤字になってしまう。人件費のほうが杉の値段より高い現状である。だから、多くの杉林は手入れもせずに山は荒れ放題になっている。今では杉は何にもならないと多くの方がなげく。

私はここに、国の施策が必要だと思う。つまり、杉を切って用材にしても赤字にならないようにする仕組みつくりである。用材にならない木は燃料に使う。今日、燃料はほとんどガスか石油であり、いまある資源はほとんど使われていません。この活用がごく自然であると思う。

子供手当てや授業料の無料化、高速道路の無料化など検討されているが、むしろ雇用を創出する林業や農業方面に力を向けることのほうが必要でないかと思える。林業が成り立つことによって少なくとも田舎に職場が増え、経済的にも栄えるであろう。ここに、都市と田舎を結ぶひとつの接点があるのではないだろうか。