2014.01.04
過疎に住み、思うこと
佐藤賢太郎 

全国各地、ほとんどが過疎化問題を抱えている。戦後生まれの私たちは人口がピークで、その後高度経済成長とともに都会に人々は集まり、地方の人口は減少してきた。現在平均出産が1人台となり、日本の総人口が減っている。全国的に過疎化が進むのも当然である。

 私の住んでいる阿賀町は県内で一、二を争うほど過疎化が進んでいる。動く車は老人を乗せるデイサービスの車。ことに私の住む集落は小学生が1名で、若者はほとんどいない。このままだと、あと5年後には私の集落の人口は今の半分以下になるだろうと思う。

どこの自治体も交流人口を増やそう、人口減少を食い止めようとしているが、これといった対策はなく、減少の一途を辿っている。田舎の人口減少に歯止めがかからない原因の第一は仕事がないからだと誰もが言う。そこで、どこの自治体でも観光地化を図り、物産、名産の販売に力を入れ、あるいは工業誘致をする。しかし、 どれもあまりぱっとしていない。

では過疎化をどうしたらよいか? 先進国の人口減少は自然で、無理に増加対策をしなくてよいとも考えられるが、経済効率ばかりに囚われていないだろうか。 

田舎に住んでいる人間が、生き生きしている姿を見せることが大切ではないかと私は思う。生き生きしている姿とは、例えばコスモ夢舞台のような活動をすることだと言いたい。田舎にあるものを生かし、建物はリフォームし、都会の方も集まる施設を作ることである。食も田舎ならではの誇りをもつことである。自然を生かし、ビオトープも作れる。

我われは助成金制度も活用し、イベントとして里山アート展のようなこともしてきた。行政からも応援を頂くようになった。その継続によって首都圏の仲間が足を運び、今年で18年になる。そして海外の方も受け入れる経験も多く積んできた。こうした中で、独自の創意工夫をして価値を創って来ていると思う。生き方の価値を伝えることである。

そうしたところに、県内から何かをしようという方々が集まってきているのは、嬉しいことである。私は阿賀町でも比較的若い方を対象に人生を輝かす話をしようと思っている。さらに今年は、文化交流として海外に出かけるチャンスも出ている。  

田舎に住んでいながらも、住んでいる人間が未来に向かって夢を実現すべく輝いていなければ、誰がやってくるであろうか。また、私は外の人間を受け入れる気風が必要だと思う。でなければ、活性はあり得ない。集落だけの人間ではそれこそあと数年で限界集落になるだけであろう。

さらに、田舎に帰って来いという親のメッツセージや教育も必要である。こうしたことに努力をしていけば、都会から戻る人間も、そしてここに残る人間も、もっと多くなるであろうと思う。だから特産物の販売や観光などばかりではない方策を立てるべきではないかと思う。結論として私は、ここに住んでいる人間の人間力がキーポイントになると言いたい。

 ついでに言うならば、人口移動があっても、魅力あるところに移動するだけで、日本の人口は増えていないのだから日本全体の活力につながらない。

工夫をしているところがより善くなるのは自然の法則である。子供を生むこと、育てることが昔のように営まれるような世の中にすること。昔に比べてものすごく教育費がかかって、親にとっては経済負担になっている。だから子供は1〜2人となっているのも事実である。

私は昨年、横浜市、さいたま市、新潟市で3度講演会を開催してきた。“私の田舎暮らし、今の生き方”と云った内容でしたが、お陰さまで200名以上の皆さんにお集りいただいた。今年も「人生を輝かせる」をテーマに講演活動を続けていくつもりです。