2011.05.09
震災とコスモ夢舞台のフォーラム
佐藤賢太郎

今年、コスモ夢舞台は「田舎と都市を結ぶフォーラム」を開催する予定にしていた。ところが、日本を揺り動かす未曾有の東日本大震災が起こり、第一回目は「震災地とコスモ夢舞台フォーラム」になった。

今回の震災フォーラムについては、参加された皆さんのレポートを森紘一さんが詳しく述べています。私たちは被災された皆様に何かしなければならないが、これで救えると言うものは難しいようでした。義捐金や物資の支援はできても、決定的結論など出すことはできません。

テレビの報道によれば、被災地の後片付けに多くの方がボランティア活動をされているようです。それは素晴らしい行為だと思います。私も、EU・ジャパンフェスト日本委員会の古木さんと奥会津書房の遠藤さんの動きに刺激をいただきました。そして、東松島の大江さんや、石巻の高橋さんと知り合いにならなかったら、おそらく東松島や石巻には行かなかったかもしれません。つまり、顔が見える人間関係があって、私は仲間と共に石巻や東松島に行くことになりました。

現地に行って、瓦礫の山がなくなるのは一年以上かかるであろうと感じた。そして、同じところには住めない人も多くなり、これからの生活は困難になるのだろうと思いました。一回の義捐金や物資支援、ボランティア活動で終わりではないのです。見舞金や補償で元の生活に戻れるものではありません。いくら政府が補償金を出そうが、元の生活には戻れないでしょう。

さて、困難に局面して救われるのは人との絆、信頼関係であろうと確信しました。私たちは一部の方としか接していませんでしたが、信頼関係があってこそ支援する方も、される方も長く付き合ってゆけるものだと思います。日頃どのような生き方をしているかによって、それが絆の強弱に表われるのだろうと思いました。改めて人間関係の大切さを感じました。

これだけ多くの方々が一度に大震災に見舞われて、一軒一軒の家を無償で建て直す支援は出来るはずはありません。また、最低限の物理的復興は必要ですが、経済的復興より生き方を変えることが大切だろうと思います。今回の大震災は、現代人の生き方そのものを改める必要性も示唆された地震であったのだろうと思います。

私たちはこのフォーラムで一定の結論を見出せたと思います。私たち個人の物理的支援に限界はあるが、被災者に何が必要かといえば信頼関係、人との絆を感じられることが大きな力となる。そして、自立する意欲、生きる健全な希望が最も重要であろう。それは、無いものから有を生み出す創造力でもあるはずです。

ここで、コスモ夢舞台が何を生きがいとして進んでいるのか、会員も考えてみる時なのだと思いました。私たちコスモ夢舞台は「地域再生と個人の活力を生み出す」ことをあげて、地域交流を掲げてまいりました。あるものを活かし、新たな価値を生み出す、今までの取り組みは、すべて人と人との信頼の上に成り立っています。

僭越ながら申し上げます。面識ある被災者の方々をコスモ夢舞台に招待したいと思います。何も無いところから立ち上げ、つくり上げている現場を直に見ていただき、語り合うことが私たちにできる支援ではないかとフォーラムで話し合いました。それにより絆を強め、私たちも元気になることができるのです。

   そのためにも、コスモ夢舞台の活動がそのような幅広い意義をもっていることを会員の皆さまに確認していただきたいと思いました。