2009.06.22
「ビオトープ コスモ夢舞台」
佐藤賢太郎

ビオトープとは、自然本来の生態系が保たれた空間であり、それには人の知恵と手が必要です。  ビオトープとは、もともとギリシャ語で、ビオ(生き物)のトープ(住むところ)という意味を持つドイツの新しい自然思想のこと、と記されていました。

高度成長時代以来、いつしか何処の田舎でも蛍やドジョウ、メダカなどを見かけることが少なくなりました。例外なく、私の田舎もふるさとの原風景が消えたようでした。

コスモ夢舞台つくりのなかで、里山アート展を開催するようになり自然景観を愛でようとしました。そこにはかって、蛍やドジョウ、メダカも住んでいました。 
 私はそうした自然の生物が復活するように、一年一年試行錯誤しながらその取り組みをしてまいりました。使われていない一つの田んぼを池にし、メダカや鯉を放し、スイレンや蓮を植えました。
 そして、もう二つの池には水芭蕉を植栽しました。山から流れる冷たい水もその池を通過すると田んぼに入る頃には温かくなります。すると稲の生育も早まります。そこを行き来するメダカは田んぼで繁殖します。蛍の小川も作り、稲刈りのときも水が流れるようにしました。

次は、ドジョウの池つくりをしました。昔、田んぼにはいっぱいドジョウが生息していました。それが今や、ほとんど見かけられません。そのため私は、ドジョウの生息できるその環境を作ってみようと思いました。
 ついでにその水の通路に湿地も作ります。みんな使っていない田んぼの利用であります。雑草を抑える為でもあります。
 さらに、メダカを観察しやすく、かつメダカが住みやすい池も新たに作ろうと思います。夏前には、蛍が飛び交い蛙の合唱、秋にはトンボがいっぱい飛び交う姿を愛でる。田んぼに泳ぐメダカを見ていると、心が和み生き物の命を感じます。
 今日、売り上ナンバーワンとかとにかく経済効率ばかり脚光を浴びていますが、ビオトープ コスモ夢舞台は経済的効率とは関係ありません。

 しかしながら、身の丈にあった小さな歩みは、やがてこれが魅力というものを作って人が集まるのだと私は確信しています。こうしたビオトープ コスモ夢舞台つくりが、私の夢の一つであります。これは私一人ではできません。こうしたことに夢を共感する人とともに作ってゆこうと考えています。