2007.12.12
コスモ夢舞台とグリーンツーリズムの接点

今、日本の農業が危惧されている。農産物の自給率は39パーセント、食物はみんな外国に頼っている。日本は工業製品つくるだけで、食料は外国から買えばいい、それでいいと多くの人は思っていない。しかしその姿勢は変らない。ほとんどの農村では農業では暮らせなく後継者はいなくなる。若者は農村では夢を描けないから都会に出るこんな図式になっている。
   皆が自然とともに暮らす生活を捨て、そして人間にとって大切な食料を作らなく田畑が荒れてゆく生き方の選択ははいいのだろうか。片方だけでなく都市と田舎の交流が大切であろうと思う。お互いに必要とする存在でなければならない。そのためにはどのようにすればよいのか。そこにグリーンツーリズムの考え方も大切だと思う。ところで私たちはグリーンリズムをしならいで仲間とともに夢をつくり、田舎にコスモ夢舞台はつくられイベントなどを開催し進化してきた。

 わたしの住んでいるところは12月になると空は毎日鉛色になる。太平洋側はいつも青空。格差という言葉がはやっているがまさに格差を感じる。この真っ暗な風土に包まれても私は農村には人間力を蘇らせる空間、魅力があるところ、そう感じられるようなビレッジを創りたいと思う。

2007.12.1グリーンツーリズム東京大会に参加した。後日私は大会実行委員長の東洋大学教授青木辰司先生の著書持続可能なグリーン、ツーリズムを読ませていただいた。2年前までグリーンツーリズムという言葉も知らなかった私でしたが、実は11年かけ仲間と共にコスモ夢舞台という現代の桃源郷つくりを過疎の農村でおこなってきた。それはグリーンツーリズムと共通している価値観を持っている事を知った。

青木先生はNPO法人グリーンツーリズムネットワークセンター代表理事と東洋大学社会学の教授という肩書きですがとても気さくで話しやすい方であります。そして自称「農に夢おい人」と言っています。グリーンツーリズム東京大会のシンポジウムなどのコーディネーターとしてとても素晴らしい輝きを感じました。

さて著書に日本農村は重大な破壊の危機に局面している。それに対しどのように農村の可能性、再生の道があるかを示唆し全国各地を東奔西走しご活躍されています。著書その一部を抜粋いたしますと、単なる保護や補助金依存でなく、技術をたくみに使った保全であり、伝統の刷新、それらを現代と言う時代や市場に適合させる方策に必要性を云っている。持続可能な農村ツーリズムはそれ自体が目的でなく、自然を保全や、また食料生産に終わらず宿泊施設に利用、ウオーキング、作物や樹木を育てることなどなどを通して訪問客から収入を得られるようにすれば持続可能な農村的ライフスタイルが可能になる、とも記されていました。

また著書の中に対談されている英国のグリーンツーリズムの世界的な第一人者バーナード、レイン氏の言葉が目に留まりました。
   それは「まずは小さく初め、成功が成功を生む形を取るべきだと思う。」である。農山村の活力をどのようにすべきか、理想は語れても実行は難しい。しかしその実行が何億円もかけたイベントのような立ち上げで成し遂げようとする仕組みは政治がらみになってしまう。だからこそコスモ夢舞台のようなやり方が私たちには合うのだろうが経済性は余り期待はできない。背伸びしないで足元から出来ることをする、そして小さくとも形にして人々に認めていただけばよい、この点についても共通する認識がある。

青木先生はわざわざレイン氏の言葉として「 日本農村は重要な役割を担う事ができる。農村をベースとしたアートや発明デザイン技術などを図ることそして都会で働く創造的な人たちに、レクリエーションと気分一新のための機会を提供するという役割である。」私にその箇所を示してくれた。
   いずれにしても共通点は人間力再生にも繋がる人間らしい生き方と地域再生の模索であると思う。
                                                                                                               (佐藤賢太郎)