2006.11.12
ふくろう会精神に続け(1)

10月20日〜11月19日の期間、ふくろう会館&アートギャラリー2Fで「イワシタ“gq”ユタカ写真展」が開かれている。

コスモ夢舞台のHPを見て、新潟市に在住する若手カメラマンから佐藤さんの元へ1通の手紙が届いた。趣旨は、ふくろう会館で個展をさせて欲しいという内容である。面談の上、写真を拝見しOKとなった。

高校を卒業して、英語もしゃべれないまま、単身でアメリカに渡り、苦学を続ける。言葉が通じるようになってからも自分を前に出さなければ認められない世界で自らを見つめるうち、他人をどのように見ていたか「個の存在」を意識するようになったという。
そのような視点から大自然の中では何でもない1本の木や岩の存在に目を向けている。あくまで、白黒 にこだわり、自分で現像している。
どんな小さな存在にも目を向け、認めあっていこうという「コスモ夢舞台」の精神と相通じるものを感じた。

佐藤さんは、作家へ転身したころの苦労の時代と重なって見えるのか、彼には特に丁寧に、親身にお世話をしているように見える。
といっても、並みの優しさではない。持論の汗のないところに良い作品は生まれないということなのか。「材料があるので、ふくろう会館2Fギャラリーの壁板を自分で張り替えてみないか」という投げかけをした。

彼は、応じてきた。アルバイトの合間を縫って、都合、2日間掛けてみごとに2面を張り終えた。そのときの言葉がおもしろい。写真ではなく、違う分野で朗働した汗の結晶の出来映えを観て欲しいというのである。

先日、同じ新潟市から大きな望遠レンズ付きのカメラを持った若いカップルが訪れて、彼の写真を観た。 プロフィールを読んだ形跡はなかったが、日本人ではなかなか出来ないとらえ方をしている。白黒はごまかしが効かないので難しいという感想を述べていった。

また、縄文土器を作る大御所のSさんが久しぶりに訪れ、彼の写真について、ユニークな視点を持っていておもしろいと絶賛して帰っていかれた。

「コスモ夢舞台」に彼が登場したのは、決して偶然ではない因縁があるに違いない。
プロとして、早く1人立ちして欲しい。そしてこの場所を忘れるな!と願っている。(K.M)

*【ふくろう会精神】
 金銭的な見返りを求めることもなく、肩書き抜きでお互いを認め合い、ひたすら
  自分自身の楽しみと感動のために、10年間、手作り、手弁当で喜んで汗を流
  し、コスモ夢舞台の建物群を創りあげてきた姿は、コスモ夢舞台の3つの心「感
  動ある人間交流・一人一人  が輝く・本物と向き合う」の基になっている。
                                    (御沓一敏)