佐藤賢太郎 石彫レジデンスプログラムinアマリアーダ 参加
(2006年6月1日〜6月30日)

このアマリアーダ市でのレジデンスプログラムは、本年欧州文化首都がギリシャのパトラス市で開催されることを機に、その公式プログラムの一環として周辺都市のアマリアーダ市において、計画されたものです。(欧州文化首都は、EU加盟国から毎年1都市を選んで「欧州文化首都」として定め、相互理解を深めることを目指して、一年を通して様々な芸術文化に関する行事を開催しているものです。1985年より発足し、1993年からは地域内の文化にとどまらず世界各国に参加を呼びかけ、以来日本との交流も継続されています。)

さて、どうして小生のような者に、このようなところから声がかかったのか、私ばかりか、皆さんも不思議だとお思いでしょう。一言でいいますと、全て縁によって結ばれているものと思います。

コスモ夢舞台のイベント開催以来、後援をいただいている奥会津書房の編集長遠藤由美子さんからギリシャで6月の一カ月間の石彫シンポジウムがあるのですが、参加しませんかと1月に突然、ご連絡をいただきました。その発信元はこの奥会津書房に関心を持たれていたEUジャパンフェスト日本委員会(日本とヨーロッパの文化交流に取り組む非営利のボランテア組織)でした。その事務局長で古木修治さんという方が全体で海外作家10名参加のうち、日本人アーチスト3名枠の中で奥会津書房に作家1名の推薦をお願いしてそういう結果になったようです。

海外のシンポジウムは経験がなく不安なこともありますが、私はめったにない機会でもあり、思い切ってギリシャへ行く決意をお伝えしました。4月15日に、わざわざ東京から事務局長の古木さんと現地(ギリシャ)を視察されてきた奥会津書房の菅敬浩さんが和彩館にお出でいただき、私との面談と現地報告、レジデンスプログラムについての説明をしてくださいました。

内容を把握していない私は、ギリシャのアマリアーダで何を制作するのか、何の為にレジデンスプログラムをしているのかを聞きました。一言でいいますと「文化によって平和と地域活性化」に貢献するということを趣旨としているようでした。

さて、何を制作するかですが、ギリシャの神といっても日本でいう氏神様のようなローカルなもののようですが、その神様を外国人のアーティストが作ったら果たしてどのようになるのか、そこにきっと感動があるだろうということ。また、地元の方にとって、見慣れた神を再認識することになり、さらに、国を超えた人間の交流が生まれるということ。そこに大切なポイントがあるようです。

事務局長さんは、私の説明を聞かれた後、「コスモ夢舞台の精神はまさにギリシャで行っていることと同じことです。」と明言されました。

アマリアーダの例と同じように、関東在住の皆様にお出でいただき、豊実に夢舞台を描くことで地元の方が自分たちの住んでいる豊実の良さを再認識することになればとも思います。うつくしい風景に感動し、自然の食べ物を味わうことも大事ですが、それより、お金がなくても、本物とは何かを追求し、夢を描く、こんな素晴らしい人間関係もあるのだというところに感動していただけることを私は期待しています。それは豊実だけにとどまらず全国の人にも発信していきたいと思います。

 古木さんはヨーロッパと文化交流に活躍されていて、すごい見識高く世界や日本の仕組みなどを大変によく把握されている方です。そのような方にコスモ夢舞台のグランドデザインとその活動に感動していただけたことは私たちにとって、とてもうれしいことです。

そして奥会津書房から派遣され、同行されました会津坂下在住の菅さんも好奇心旺盛でしかもすごく理解力のある行動派でありました。そのお二人をコスモ夢舞台の施設にご案内しますと、行く先々の建物に感動していただき、とても楽しくなると言っていただきました。

ところで、ギリシャ行きは決して優雅なものではありません。聞くところによれば、「人のことなど全然考えないすごい悪党がいる反面、どうしてこんなにいい人もいるのというように。両極端です。脅かすわけでありませんが、佐藤さんはどちらの人間に会うのでしょうか。ともかく日本とは大きく価値が違います、ゆったりと過ごしてください。」と助言くださいました。何が起こるかわかりませんが、私はあえて挑戦する覚悟であります。無事豊実に帰ってきて、さらにコスモ夢舞台にグローバルな価値を付けていきたいと思います。