2006.11.10
まつりの後の静けさ

里山アート展は15日まで開催しているが、コスモ夢舞台の今年のビッグイベントも終わり、豊実はいつもの静けさに戻っている。

刈り残しの古代米の稲刈りを数人の方に体験していただいた。その稲を足踏み脱穀機で落としながら、良い体験をしてもらったなとしみじみと振りかえる。
いつもは、「昔、農業は散々やってきたので、手を出さない」と言っていた我らが棟梁大野さんも自分がお連れしたお客さんの前では島根県流を披露しながら熱心に稲刈りの指導をしていた。

初めてというご婦人の手際の良さには驚いた。最初は、まったく腰が後ろに引けて、諦めるかと思ったきゃしゃなお嬢さんも出来るようになると大喜び。「キャー」という叫び声の先を見ると、小さなネズミが仰向けになっていた。あの甲高い声が今も耳に残っている。
収穫した籾は意外に多い。来年、種籾として使われるかどうかは、今のところ定かではない。

古代米はともかく、コスモ夢舞台米を作ることは決まっている。また、メダカが泳ぎ、蛍が飛ぶ小川づくりのためには水の確保が第一優先である。

囲炉裏の上の自在鍵、桃源の湯の煙突の帽子(笠)等鉄に関することを一手に引き受けてくれているのがふくろう会員の時崎さんである。勿論、奉仕の精神を貫いている。こうした方がいなければ、コスモ夢舞台は、ここまで来れなかったであろう。
今回も、注水口のパイプのゴミ除けのアミ、グレーチングを特注で作成して持ってきてくださった。早速、佐藤さんと一緒に取り付けた。寸分の狂いもないみごとな物である。来年は、もう、今年のような水の苦労をすることもなく、さらに美味しいコスモ夢舞台米が収穫できるに違いない。 

里山アート展会場周辺の草刈をしてくださったムラの有志4人をお招きして、慰労会を行った。
アルコールが入ると本音が聞ける。地元区長のIさんは盛んに後継者の問題を気にしていて、年寄りだけでなくムラの若い衆を巻き込んで欲しという意向のようだ。勿論、それは理想的だが、定住・移住をして欲しいと願っている自治体は全国いたるところにあり、それだけの力では魅力ある地域づくりはできないのではないか。全国レベル、海外も含めた人間交流の場として「コスモ夢舞台」という名前にしていることを改めて強調しておいた。

それはさておき、昔、ムラの人たちが墓参り等で利用していた阿賀野川沿いの小道を掃除し、遊歩道として復活させようということでまとまり、お開きとなった。地元への広がりも一歩一歩である。(御沓一敏)