2006.11.27
熟し柿・再生

昨年の秋は、自然の生り物が豊作で、柿も一生のうちで、最初で最後の体験であろうというくらい毎日、腹一杯いただいた。

今年は、全般的に木の実の類が不作で、佐藤家の柿も例外ではない。そんな中、1本だけたわわに実をつけた柿の木がある。
実が小さい上に、渋いのと甘いものとの当たり外れがあるため、いつもは誰も相手にしない柿の木である。ところが今年はそれをいただくしか当てがない。

忙しさにかまけて、収穫の時期も少し遅くなってしまった。すでにかなりの量が熟しはじめていた。食べるのが追いつかず、日増しに、その数が増えていく。
捨てるのはもったいない。といって、これに火を通してはいけない。昨年、ジャムにしようと試みて、渋みが倍加して大失敗した苦い経験がある。

愚妻が機転を利かして、ムースにしようと挑戦してみた。これが大成功、淡いオレンジ色の得も言われぬ上品な美味しさである。
ここでも、また、危うく捨てられそうであったモノが輝いた。

今直ぐ、和彩館へ行けば、この「柿ムース」を召し上がれるかもしれません……?(御沓一敏)