2006.07.21
難問の配管開通

田んぼへ水を取り入れる配管が詰まってから2ヶ月余り、大工事の末、開通した。問題が発生したのは、佐藤さんがギリシャ行くために埼玉へ出発してから後のことである。

最初は、FさんMさんの協力で配管の詰まっていそうな場所をところどころ掘り起こすところから始まった。原因を突き止めることが困難ということで、ガソリンエンジンのポンンプを使って川から水を汲み上げることになった。
折から、新潟地方には一滴の雨も降らない。私も1ヶ月間留守にした。この間、マキ子さんが2時間置きにエンジンへのガソリン補給をしてくれたが、その手間の大変さは、現場へ復帰してからの筆者が痛切に感じている。

主である佐藤さんの留守中も、地元のFさんのご協力をいただきながら、可能な限りの手は尽くしたが、原因究明には至らなかった。
主の帰国待ちで、手も付けられず、難問もしばらくペンディング状態で置かれていた。

7月に入ると新潟は一転して豪雨の状態が続く。その雨が10日ぶりに晴れた日の朝、Fさんがお見えになり、「配管の件は、その後どうなった」と声がかかる。ありがたいことにFさんがいろいろ対策を考えてくれていた。善は急げ、佐藤さんと3人ですぐに問題の箇所探しの作業に取り掛かる。
外野席からは、管を切ってみたらと簡単に声がかかるが、無闇に切ったのでは後処理が大変である。
三人寄れば文殊の智恵、作業と討議を繰り返しながら、まるで推理小説の謎を解くかのように慎重に、範囲を狭めていく。

まず、Fさんの提案どおり、鉄筋のまとり橋の下の配管のつなぎ目を外しにかかる。川からの高さは6、7メートルはあろうか、下を見れば目が回る。予測どおり水の出は少ない。従って、これより川上に問題ありと推測する。

次に私が1人で掘り起こしていた箇所やKさんがユンボ掘ってくれていたところの管を叩いて、水が入っているかどうかを音で確かめる。その方法での決め手はないので、後処理の方法は考えているのかどうかFさんに確かめた上、いよいよドリルで2箇所穴を開けることになった。
どちらの穴からも電線に届くほどの勢いで水が噴出した。その結果、車道を横断するところから最初に手を付けたまとり橋の下までの間に問題ありと断定した。

運良くつなぎ目が見つかっていたので、そこを外すことになったが簡単にはいかない。管を外すためには、長い距離を掘り起こす必要がある。
お馴染みのTY組からユンボは借りられるのだが、運転手が居ない。そこで、Fさんの頭の中にあるデータベースの検索が始まる。思案の末、指のケガで休んでいるM君に白羽の矢が立った。家で時間を持て余していたようで、すぐに駆けつけてくれた。コスモ夢舞台には初登場である。

うまく管が外れた。今度はFさんが用意したワイヤーを使って、管の中を上下から突付いた。やがて、橋の下の箇所から作業していた佐藤さんよりヘドロのような砂と小石が出てきた旨、連絡があった。
上流のタンクに水を入れて流すと本来の大量の水が田んぼの出口から噴出した。

配管を切って調べろという意見が多い中で、どこも切開手術をすることなく復旧できたことが不思議で、夢のようである。
とにかく大変だったが、このたびの件でどれだけ多くの人のお世話になり、また、その方々との親交が深まったか計り知れないものがある。
特に、田んぼの小川への流し口の工事、タンクの取り入れ口の整備まできっちりしてくださったFさんには感謝してもし尽くせないほどお世話になった。この場を借りて、取り急ぎお礼を申し上げます。

今年は、もう余り、水は要らないが、蛍の小川と来年の米作りのためには、明るい見通しが立った喜びの一日であった。めでたし、めでたし(K.M)