2006.11.03
カミ一重の話

「噂をすれば影」という言い方があるが、コスモ夢舞台では、困ったり、足りない物があって話をしていると必要な人や物が集まってくるから不思議である。

ええべの会のMさんより籾摺り機をいただいた話をしたが、先日、行事の合間を縫って、自分たちで使えるものかどうかテストしてみようということになり、やってみた。しかし、Mさんも言っていた通り素人では簡単に動かせない。諦めかけていたところへコスモ夢舞台米の指導員Fさんより電話があり、「天気が好いので、これから古代米の籾摺りに行きます」とのこと。まさに、渡りに船である。

専門家が来れば、一安心。大船に乗って、高みの見物と決め込んだ。ところが、そうは簡単に問屋が卸さない。
モーターは回っているのだが、籾摺機から籾が出てこない。Fさんが、あれやこれや試みたが、一向に埒が明かない。小一時間も経っただろうか、随分長く感じられた。

ついに、「この機械は捨てるしかない」とFさんもお手上げである。そこまでは良かったが、後がいけない。
「捨てる物をよこしたのか」「使えると言っていたのにやっぱり、ええべだ」等々、Mさんに対する悪評が出始めた。そこへひょっこり、「どうだネー」と言いながらニコニコ顔のMさんが軽トラに乗って現れる。

「いま、散々、あなたの悪口をいっていたところだ。使えないのだが、どうなっているの」と笑いながらも半ば詰め寄る形になった。
「おかしいな。今まで使っていたのだが。ところでモーターの回転はどちらに回っている」と逆に訊かれる。
そこまでは、誰も気付かなかった。点検してみると、ご指摘の通り、モーターが逆に回っていた。
Mさんからいただいた3相・200V用の電源プラグを佐藤さんがつけるとき、配線を間違えたらしい(佐藤さんを弁護するわけではないないが、これはやって見なければわからないことらしい)。

配線を付け変え、動かして見ると、みごとに籾が摺りあがって出てきた。こうなると、突然、Mさんは、とんでもない悪者から、神様からの遣い。最後には神様扱いにまで昇格してしまう。

このように5月より、苦労してきて出来上がった古代米である。味は勿論、色と艶、蓮田で作った時のもの以上のできばえであると感じるのは気のせいばかりではあるまい。
今年だけの幻の古代米にならなければよいのだが…。
K.M)