2006.08.08
コスモ夢舞台のその後

7月15〜17日の建設作業が終わってからも、豊実は雨が降り続いた。
突如、人気スポットになった露天風呂と池の整備のため、ふくろう会員が帰った後も、大野さんは残った。従って、佐藤さんも筆者も雨だからといって、作業を休むというわけにはいかない。

大野さんが埼玉から持ってきた10メートル四方の巨大ブルーシートを張り巡らし、露天風呂の据付台と排水管、流し場、池のコンクリート打ちを2日間にわたって行う。
この大きなブルーシートを柱も立てず、作業できるように空間を作って張るという発想は、生きてきた世界が違う筆者にはとても想像が出来なかった。シートの端々に大きな角材を結わえつける。角材を斜めに倒して、その重さを均等に保つことでテントを張ったような状態になるというわけである。

ところが、降りしきる雨のため、瞬く間に水溜りが出来てバランスを失いテントが落ちる。また、水を流して立て直す。この繰り返しで風呂場の方の作業は一応終わった。

次の日は、いよいよ広い池の方の作業にかかる。雨足はますます激しくなる。昨日の方法では駄目だ。池の上に角材で傘のような骨組みを作り、シートを被せる。しかし、池の淵と同じ深さしか高さが取れないので、中は密封状態である。
その中を、佐藤さんと筆者は生コンミキサー車から受け取ったセメントを一輪車に乗せ背を屈めながら大野さんの所へ運ぶ。それを大野さんが素早く塗っていく。
生コントラックの運転手が様子を見に入ってきたが、息苦しく、暑くて耐えられないと言って、入った瞬間に飛び出していった。
後日談だが、大野さん曰く、「今までの長い仕事人生で、こんなに厳しい状況の中で作業をしたのは初めてだ」そうである。

数日置いた後、池に水を入れてみたが、上記のような状態で作業し、しかも、セメントが少し足りなかったこともあり、水漏れがする。
そこへ、地元のお助けマン(白馬童子)Fさんが登場し、補修工事をやってくださる。その後も、補修作業を何度かして、水漏れだけは何とか解決した。
今は、静かに水を湛えている池の裏側にはこんな秘話がありました。

さて、本体の石夢工房だが、今までは、ブルートタンの小屋でHPに掲載するのも躊躇したが、体験学習の生徒さんたちの協力もあり、周囲も随分奇麗になって、見違えるように生まれ変わった。堂々と看板も立てた。

この夏までの外回り作業予定で残されているのが、R459沿いの畑に植えてあるキウイの棚つくりである。石夢工房から残り少なくなってきた角材を持ってきた。長雨でたっぷり水を吸い込んだ木材は重く肩にのしかかる。
そこでへ、またまた、お助けマン兼技術指導員のFさんが「何をしてるかね」と言って通りかかる。結局、また、お世話になる。チョウツガイは持参してくれる。番線の締め方を教わる。お蔭様で作業は一気に加速する。

竹藪状態になっている中で、地面を這い回っているキウイの元をやっと見つけたFさん、今年の収穫は諦めるしかないと言いながら、短く剪定してしまった。来年こそ、おいしいキウイを食べられるだろうと期待していたのだが、Fさん「この棚も、1年持ちこたえられるかどうか……」と言う。

田んぼへ引いている水の配管が2ヶ月近く詰まっていて、奇跡的に再び開通したことはすでに記述したが、水が豊富に流れるようになったお蔭で、4月に造った小川にも結構、水が行っている。自然の摂理は正直なもので、ふと見ると、メダカが群れて泳いでいる。このまま行けば、来年、蛍が飛ぶのも夢ではなさそうだ。

いずれにしても、コスモ夢舞台は日々、進化しております。一度ご覧ください。(御沓一敏)