2007.04.27
第14回EUジャパンフェスト公式報告書

 EUジャパンから第14回EUジャパンフェスト公式報告書を送っていただきさっと目を通して驚いた。一年間でこんなにも多くの日本のアーティストをヨーロッパに送り出している。その送り出していただいた一人として、このための事務処理や対人間関係にさぞかしエネルギーがいるだろう、忙しい事だろうと思った。そして光栄にも報告書の表紙写真の一カットに私がギリシャで制作した彫刻写真が美しく掲載されていた。さらに出版いたしました「ギリシャからの手紙」の紹介もされていた。何ほどもない私のようなものには、このように紹介いていただいた事はとてもありがたく感謝いたしました。

さて事務局長の古木修治さんの文章を読んで感じるところは多くありました。その末尾「終りに」といところにこんなことがありました。
 「ナチスの将校たちはバッハやベートベンをこよなく愛し、哲学に精通し極めて高い教養を持ち合わせていました。このことから分かるのは人それぞれにとってアートが表面的なことであれば、アートは何の役割も果たさないということです。一方アートが日々私達の生きることに関わり、魂に訴えることができれば、多くのことを成し得ることになります。」

  ここを読んで高島屋の個展のとき講演するアートと日本再生(コスモ夢舞台の田舎から)の内容と共通するものがあると思いました。
美術作品を見て心を打たれたと感動する人は多い。私は思うのだがアートは人の生活に及ぼす事はその限定でないと考える。新しい創造を生む力―日本再生、組織再生、地域再生、個人再生―になりうる要素があるのでないか、という提案です。某大学教授でなく、しがない彫刻家、佐藤賢太郎のようなものが言うのははなはだ僭越な事ですが、だからこそ、そこに新しい創造、価値を創ることにつながる。ここで大切なのは置き換える力である。一つの専門はできるがその専門力を応用、置き換える事ができるかだと思う。これがとても至難なのだと私は感じる。
                                                             (
佐藤賢太郎)