2008.01.12
親の介護1

  私の父は79歳で脳梗塞になり杖をついての生活になった。週3度のデーサービスに通いながら、母の補助で食事やトイレにも行ける生活ができた。しかし87歳になった今年急変した。もともと父は5年前から内臓に癌があり、胆嚢の働きが悪くパイプを入れていたこともあり、お医者さんから以前から急変する事がありますと言われていたが、よくここまでもったものであった。

今年1月初めから杖でも介助でも歩けなくなった。それどころか立っていられなくなり。寝たきりの生活に変った。その急変化に母、家内、そして私と3人がかりの世話をする事になった。初めてのことで戸惑いの最中である。父が健在時介護などは人の話として大変だなと思うだけであった。ところが我家にそのことが起こってくると、私たちの生活も大きく変化せざるを得ない。仕事もできないような状態である。

先日老老介護のテレビの映像は体験者ならこれが現実、痛いほど実感しただろう。昔は60歳代70歳代であの世に逝った。しかし今日寿命が延び、本人の意識がわからない状態でも寿命は延びて延命している方が多くなった。その苦労は家族も受ける。家族ができない場合は施設に入る、しかしそれもお金がかかり誰もが希望通りにはできない。どの選択がベターなのかそれはその人によるものだろう。しかし家族が看取れるならベターなのではないかと思う。私の住む村(29戸)にも3人が寝たきりの親の面倒をみている。

以前、意識のわからなくなった老人の入っている病棟におばが入っていた。おばは意識があったがその病院に見舞いに行ったとき、それは人生の墓場を見た思いになって暗くなった。日本にはこのような老人が一杯いる時代である。ここで我家の世話になっている老人医療介護制度をあげて見ます。訪問診療、お医者さんと看護婦が月に個別に訪問してくださる。そのほか訪問看護これは看護婦のみが来てくださる。ヘルパー制度、要請に応じて生活の補助として訪問してくださる。デーサービスこれはリハビリを兼ねながら地元の施設で日帰りしながら面倒をみていただく。そのほか、そうした事全体をどのようにするか相談、連絡してくださるのがケアーマネージャーという方がいる。我家の父はそうした制度を使わせていただいてお世話になっている。
 
 それにしても稀ではありますが、日野原先生のように90歳になっても、あのようにテレビに講演に、執筆に、医療に大活躍する方もいることにどうしてなのかと思ってしまう。そこまでもなく90歳近くになっても元気な方がいる。その数は少ないと思うがどうして人間の終末の違いが出るのだろうか、それは解らない。
私も今年、父が倒れた79歳まで19年となった。それまでの時間どのようにして生きるのか。(佐藤賢太郎)