2007.12.14
雪を前に

トンネルを抜けるとそこは灰色の空だった。グリーンツーリズム東京大会から上越新幹線で帰った。午後3時というのに夕闇になったような空だった。雪の降る前のこの季節、毎日続く日本海側の気候である。それに比べ太平洋側の関東地方はいつも青空、そこにいるだけで希望が湧いてくるような気持ちになる。私はその青空も体験し、今は郷里の自然に同化しつつ鉛色の空の下で生活するようになった。

こんなに小さな国なのに山一つを境に対照的な気候になる。それは1万年以前からそうであったようだ。自然とともに暮らしてきた縄文人の精神性も当然影響されるだろう。
   雪が降る前はとても忙しい。ちょっとの晴れ間が貴重で雪囲いに追われる。ようやく終わった。ほっとして今作品をつくろうという意欲も湧いてこない。

ところで空が明るくないからマイナス面ばかりだろうか。私は冬になる車を使わず歩いてゆく、当然帰りも石夢工房から夕方歩いて帰る。ゆっくりした時間の流れになる。春や秋の山や木々は素晴らしい感情を与えてくれるが、もしかすると冬の殺風景ときが一番自然を体感する季節なのかもしれない。ともかく関東にいるときとは違い、四季がはっきり感じることです。春は待ちどううしい、その情感は冬の厳しさがあるほど高まるようだ。このように季節によってメリハリ体感させられる。。

コスモ夢舞台はひっそり静まり返った。春から夏、そして秋あの忙しかった日々はまるで嘘のように静まり返った。仲間もいない。人通りも無い。冬眠に入ったような村の今日この頃である。(佐藤賢太郎)