2023.10.9
「里山アート展」と縄文広場
森 紘一

 10月8日(日)、秋晴れの豊実で10時から「里山アート展」が開催された。今回で20回目となる記念式典は、ご来賓の皆さまから次々と温かいご挨拶をいただいた。
 大塚さんの司会進行の下、最初にコスモ夢舞台理事長の佐藤さんからアート展の終幕と縄文広場の展望について簡単な説明があった。傍らに大野さんを呼び寄せ、客席の皆さまに謝辞を述べる口調はいつになくゆったりとしていた。

 はじめに、新潟県津川地区振興事務所 原田亮所長からは、当地でのこれまでの継続開催への感謝と縄文広場への期待のお言葉をいただいた。
 次いで阿賀町教育長 遠藤佐(たすく)様からも、阿賀町の地域活性につながるこれからのイベントを応援していくという激励をいただいた。
 また、佐藤さんとは幼馴染の前県議会議員の澤野 修様は「長生きには“笑い”が一番、寿命を縮める怒り”は捨てて、お互いに頑張ろう!」と呼び掛けていただいた。
 里山アート展のポスターやDM、冊子などの印刷物を手掛ける博進堂の清水伸社長 は、「石彫作家の佐藤先生は作品作りが本業だが、里山アート展やコスモ夢舞台そのものもまさに立派な作品です」と、作品としての縄文広場に関心を寄せられた。
 会津若松市中学校体育連盟会長で第五中学校 校長の玉木俊彦様は佐藤さんとは同窓生で「これからも、元気でご活躍ください」とエールを送ってくださった。
 会場で、演奏会等で何かとお世話になった伊藤末五郎さんともお会いした。黒のバイクスーツに身を固めた姿は、とても若々しかった。

 この日に備えて、前日(10/7)東京ブロックから9名、新潟方面から2名計11名が豊実入りしていた。その他、和彩館にはフランス人の女性ウーファー1人とドットコムの日本人男性2人が投宿中で、今夜もアメリカ人男性が投宿するという。コロナ前の賑やかさを取り戻しつつあるかのようだった。
 久しぶりに大野さん夫妻も参加され、20回目のアート展前夜祭としても最高のお膳立てが整っていた。
 「乾杯!」に始まった夕食会の席で「里山アート展は今回で終わりにしたい」と佐藤さんから改めて発言があった。思い出のギリシャの旅やコスモ夢舞台の軌跡等の映像も流され、感傷にふけるひと時もあった。しかし、いつもの健康やら病気の話だけではなく「アート展の後はどうなるの?」、「残りの竪穴式住居と広場の整備はどうするの?」といった話題が交錯していった。佐藤さんとマキ子さんの健康状態や仲間の高齢化という現実問題と夢の情報共有に、話題は自然と流されていった。

 佐藤さんの郷里に「仲間と一杯やる東屋を建てよう」から始まった建設作業は、やがて稲刈りの済んだ田んぼに作品を並べる「里山アート展」の開催に繋がり、過疎の集落の活性化や空き家対策を考えるきっかけともなった。阿賀町豊実での我われの取り組みは「真の豊かさとは何か?」、「魅力ある田舎くらしとは?」というテーマから『縄文の世界を夢見て』という生き方の命題にたどり着いてきた。

 記念式典(10月8日)当日の早朝6時、母屋裏の船着き場に宿泊組全員が集まった。ご近所の助っ人古山さんと「お久しぶりです。お元気ですか?」と声を掛け合うこともできた。
 昨夜の約束通り、フランス人女性の指導で阿賀野川を背に約30分、気功体操を行った。悠々と流れる阿賀野川と赤い船戸大橋の風景は変わらず、薄っすらともやがかかっている。ひんやりとした朝の空気は、いつにもまして心地よかった。