2010.01.04
年初の想い
森 紘一

 ここのところ、地域主権という言葉をよく見聞きするようになりました。国会議員や地方自治体の首長も、さかんに‘地域のことは地域で’と連呼しています。これからは、地域社会や共同体の住民・市民が主役の共存共栄を探るべき時だと、経済学者も主張を強めています。

 昨年、大佛次郎論壇賞を受賞した(広井良典著、ちくま新書)『「コミュニティを問いなおす」―つながり・都市・日本社会の未来』を読むと、わが国の未来や地球社会の今後を展望するうえで、いかに新たなコミュニティを創造するかが課題、と結んでいます。
 
 考えてみると、コスモ夢舞台の活動は最初から地元との連携を前提としていたわけではなかったとしても、今や数だけではなく質の高さにおいても地域社会との‘つながり力’は強固になっています。さらにこれからは、情報や喜びの共有とともにマイナス面のリスクも共有していくことで、これをより強い絆としていかなければならない時代に入っているようです。

 今年の5月から6月にかけて、新潟市内と阿賀町で開催予定の写真展(「日本に向けられたヨーロッパ人の眼・ジャパントゥデイvol.11」)に触れて、佐藤さんは「写真をとおしての文化活動の意義も一義あるが、人と人を結ぶ、人を掘り起こす、それが実現してこそ生きた開催となる。そう私は受け止めています」さらに、「写真展はEU・ジャパンフェスト日本委員会だけが主催者ではない、むしろ県民の私たちが主催者という意識が求められている。それがなければ開催しない方がいい」と述懐されています。

この発言は、コスモ夢舞台代表者の決意表明であると同時に、これからのコスモ夢舞台の基本姿勢そのものではないでしょうか。
   

確かに、コスモ夢舞台は異なる文化や多様なコミュニティをつなぐ橋渡しとして、その役割を強化していく必要があるようです。里山アート展を中心に、さまざまなイベントをとおして都市との交流を図り、活力ある地域づくりや個人の活力再生を促進することは、コスモ夢舞台の目的であり全国に共通する普遍的な思想でもあるとおもいます。

  グリーン・ツーリズムを推奨する英国のバーナード・レインは“農村をベースとしたアートや発明、デザイン技術などの育成を図ることは、日本農村の重要な役割である”と指摘しています。いよいよコスモ夢舞台がはじまる、そんな初夢を見たおもいです。