2020.5.27
第2回アートフェスタ見学者
佐藤賢太郎

 新聞を見て来たという見学者が実に多い。新聞の切り抜きをもって話す。全てパソコンになり、新聞がなくなると言う方もいますが、新聞の役割は大きいものです。中にはどこだかわからないと不満を言う方もいる。ある方に看板をつくっては、と言われ設置した。そして畔道の草を刈った。もっと入り口に看板をつくれというが、作品の記録集も渡して、そこには地図も入れています。「これ以上は自分で探しなさい」と私は言った。何でも、してもらうことが当たり前の社会の風潮になった、それも問題であると思う。「あなたはアートフェスタの準備ができますか、不満を言わず自分でやってみたら」と言いたくいなる。見たいなら訪ねてきたらよさそうなものです。全て準備は一人でやるしかない。そのうえ入場料無料です。

 ともあれ、ありがたいことに昨年以上に人が来ています。コロナの問題にもかかわれずお出でになるのです。私はコロナ問題の前から人間の生き方を変えるときと言っておりました。
 わが家を訪ねてくるある方は「ワクワクする。楽しい」と言う。私はアートについて話すというより、生き方を変える時期に来ているということやアート制作を語りながら見方を話しています。
 もう経済のV字回復はないと思います。豊かな生き方とは何か考えてみたら、と言いたい。

 同じ日、あるとき脳梗塞になった方が見学にお出でになり、私に頼みがあると言った。「私は障害者のお世話をしているものですが、先生に作品を作ってほしい、それで障害者の方が元気になるきっかけになれば」というのです。またある方は私の生き方に賛同、高齢者でありながら目が生き生きしていました、同行した方は建築家で豊実出身、この方は私のことを知っているようでした。
 このことを通じてアートは単に美術鑑賞ではなく、人と人を繋ぐものになっています。会員の方はお解かりのことですが、人を元気にさせる力があります。