2009.08.01
エレルヘイン少女合唱団来訪2
佐藤賢太郎

リトアニアから無事帰国し、盛岡の作品設置も無事終わると、エレルヘイン少女合唱団を迎える時が直前に迫っていた。家内は食事のことでキリキリしていた。なにしろ、70食を一度にどう出すかと思案していた。皿やスプーンがそんなにあるのか、シーツはあるかなどなど、こまかな問題が見えてきた。当日を迎える日が迫るにつれ、その現実の重さを感じていたようである。

一方、田んぼのあぜ道で40数名が歌うその場所は秋に使うつもりで、そこに舞台を作る予定であった。そんなところに、ふくろう会の棟梁が駆けつけて、景観つくりを急遽、舞台つくりに変更してくれた。
  雨の中、その作業を仲間と村の方々の応援で完成にこぎつけ、立派な舞台が出来上がった。歌うのはあぜ道の地面ではなく舞台である。前日になっても雨がやまなければ、テントを張るしかなかった。雨が降った場合は、舞台にブルーシートをかけたままで行なうことにした。
   
   当日雨はやまず、テント張りを町役場職員と関東から駆けつけてくれた仲間、そして古木修治さんも参加して行なった。できることなららテントは使いたくなかった。なにしろ、可愛い少女たちの姿が良く見えなくなってしまうからだ。

   無常にも雨は降り続けていた。テントを斜めにかたむけ、少女たちの顔が見えやすいように設営する事にした。雨にぬれながら、みんな懸命だった。町職員の協力も、雨のお陰でとても印象深いものになった。

 合唱団が到着すると間もなく昼の食事になるため、家内は前日より母と4箇所に分け米一斗を炊いて、カレーの準備をしていた。

成功の鍵は準備に7割がかかっていると思えた。午前10時、一行のバスと荷物のトラックが三島から到着した。仲間とともに、和彩館前でお出迎えをした。三島では盛況に終えたと聞いていたが、彼女たちはどんな想いで車から降りたのだろうか。