2009.8.4
エレルへイン少女合唱団来訪3
佐藤賢太郎

少女合唱団たちが到着するより一足先に、古木修治さんが「こんにちは」と、元気に明るい笑顔で和彩館に入ってこられた。それは、これから始まるドラマを楽しみにしているような顔でもあった。やがて指揮者のロイトメさんとも挨拶を交わし、私は全員の方を握手で迎えた。              

わたしは知らなかったが、歌手の大高さんも同行されていた。そしてなんと、和歌山から芸術支援協会の井上ご夫妻がわざわざお出でになられたのです。和彩館は花が咲いたように青い目の若い少女たちであふれかえった。こんな光景は二度とないだろう。  

さてこれからの豊実でのスケジュールを説明して、部屋割りも伝えることにした。プロジェクターを使っての説明とスケジュール表を数人に渡した。一応、英語の単語を並べて準備した。指揮者のロイトメさんは高齢のため足が少し良くないと聞いていましたので、階段を使わないで済むふくろう会館を割り当てた。若い年代の少女は石夢工房の屋根裏、蔵・銀河、和彩館、いとう屋には24名雑魚寝の部屋、そして伊藤淳一さん宅に井上さんと、大高さん、エストニア友好協会の西川さんと振り分けることにした。

そうこうしているうちに、ロイトメさんが大高さんに即興で歌ってとお願いしたようだ。大高さんが即席で歌いだした。「こう見えても私も忙しいのですーNHKの番組にも出ているの、その隙間を縫ってここに来たのです。私は如何して、今ここにいるの? 不思議な人とひとのめぐり会い……」と大高さんが歌うと、少女たちも即興でハミングを合わせ歌う。もちろん、少女たちは日本語の意味は解からない。あれっ歌が始まってしまったと、わたしたちはあっけにとられてしまいました。

そのうちに、ここに来たことの感謝か分かかりませんが、挨拶代わりに合唱が始まりました。和彩館のテーブル席や円卓席に座ったまま、もちろんロイトメさんの指揮で歌うのです。仲間やスタッフはその美声に一様に驚き感動してしまいました。              

その後、振り分けた部屋割りに従って、鈴木さんと大塚さんは石夢工房に、御沓さんはふくろう会館、紘一さんはいとう屋さんへと案内を頼んだ。中にいびきがすごいので一人部屋を取っていただけないかとの注文もあり、旅館以外にも民家に4人泊めていただくことにした。それぞれの宿泊所に案内するにしても、仲間が居てくれて助かった。

11時30分から昼食にしていたので、彼女たちは和彩館に集合した。すると食事の前に、またコーラスが始まった。日本人なら「いただきます」というところを、歌でするようであった。これも驚きであった。全てロイトメさんの演出によってこのように進行されていくようである。