2009.11.28
「写真ワークショップ」で感じたこと
森 紘一

 11月3日(文化の日)、豊実の里山アート展会場で開催された撮影会に出席した。   
   与えられたテーマは、「私は里山アート展をこう見た」である。さて何をどう撮ったらよいのか皆目見当がつかないまま、漠然と作品を撮っていった。
 雨あがりの会場では、参加した15名に混ざって遠路リトアニアから招聘されたプロ写真家のアルトゥーラス氏も大きな体を折りながら作品群にカメラを向けていた。

津川の狐の嫁入り屋敷で開かれた写真トークのパネルボードには、野外アート展らしい青空と田んぼに作品が置かれたごく平凡な4点を提出した。
   参加者それぞれの写真がボードに並べられてみると、情けないことにわたしの写真はかすんでしまう。アート展が開かれているというだけの風景写真には何の魅力もなかった。わたしは結局、里山アート展を何も見ていないという答えが出てしまったようなものである。

ボードの中央に貼られたアルトゥーラス氏の写真は、どれもさすがに素晴らしい作品だった。アート作品の部分がアップされた構図からは作品の全体像は見えないが、その一枚の写真は明らかに別物のアート作品である。「大地とのつながりを意識して、ローアングルで作品を撮った」とアルトゥーラス氏は語っていたが、なるほどプロのカメラアイにはそうした主張が込められているのだろう。

今回のワークショップはわずかな時間だったが、写真の撮り方からものの見方の基本まで教えられたような気がする。あらためて写真のもつ魅力や創造性を学んだことも貴重な体験となった。
   またこれからは、旅に出たり、写真展に行くことが楽しみになってきた。