2014.12.09
人生の友へ
佐藤賢太郎

 雪が積もり、訪れる人が少なくなりました。寂しいというより、ようやくゆっくりする時間ができました。今年は、ことに忙しい日々でした。これからの1月から4月までは、ゆっくりした時間が流れます。

 そして、限りある人生を、生きとし生けるものとして思います。

人間は健康であること、自然の美味しいものを食べられ、価値を共有できる良き友がいて、平和で過ごせる環境があり、勉強ができ、物を生かし、衣食住がその年に成りたつ、これ以上何が必要でしょうか

私はその意味で満たされています。だからと言って何もしないわけではなく、少々の緊張感、ストレスがあっても、次の夢に挑戦をしてゆきます。今年の講演会にしても、成功するかどうかわからないのに自ら実行しました。そして来年も友と語り合う、そんな講演会に挑戦します。

ふりかえれば、人生は思わないところからチャンスのバスがやって来ることがあります。言葉を変えれば、それは宇宙から、天から与えられた運命ではないでしょうか。しかし、そのバスに乗れない人は多くいると思います。私は、次々とやって来るバスに乗って参りました。そして今があります。

 鈴木政夫先生との出会いによって、希望や夢だけで彫刻家になろうと決心しました。どうなるか解らない彫刻家行きのバスに乗りました。暗いトンネルも通りました。多くの方の支えによって彫刻だけでやってきました。作品は日本だけでなく何とギリシャに設置出来ました。そして郷里に仲間とコスモ夢舞台の夢を描きました。時間はかかりましたが、気が付けば仲間と現代の桃源郷を作ることができました。

 今や日本人の二人に一人はガンになると言われています。私もガンになりました、しかし手術も抗ガン剤もなしで、ガンの患者学研究所の指導を実践し、治しました。私はガンになったことで、得ることがとても多かったと思います。これもまた、来たバスに乗ったということなのです。

再度ギリシャに行き、今回も困難の中で彫刻を制作・設置できました。この一連の出来事は苦難福門ですが、友に支えられ今日まで歩んでこられました。私は良き友人がいて、勇気を振るいおこし、さらに挑戦する意欲をもてました。もちろん、未熟な夫婦の間で言い争いは絶えません。しかし、この愚妻、家内の支えがあって、すべてが可能なのです。

 振り返りますと、困難なトンネルは人生の宝となっています。だから、人は苦難福門と言うのでしょう。ただ、苦難を苦難で終わらせるかどうか、それは学んだことを応用できるかどうかにかかっていると思います。