2014.04.26
夢実現、小さな美術館
佐藤賢太郎 

15年前、須賀川の「ギャラリーマスガ」で個展を企画していただいたとき、大島和子さんが画廊にお出でになり、私の作品に痛く感動してくださいました。そして3年後、その作品をお求めくださいました。当時は、清水の舞台から飛び降りるような心境だったと思います。なぜなら、ご自分の給料よりはるかに高い価格でした。それだけ思い入れがあったのでしょう。私も作家として、大変励ましを頂きました。 

以来ファンになっていただき、コスモ夢舞台会員にもなられました。ある日、彼女は自分の古い家を改造して画廊を開きたいと夢を語りました。それは、できるかどうか解らない夢のような話でした。

 ゆっくりの歩みながらも、その情熱は失わず進んでいました。ご苦労もあった事と思いますが、彼女の偉いところは実行することです。あきらめないことです。そしてついに、今年の6月1日(日)から画廊はスタートするそうです。

ところで、原発事故のため郡山市在住の大島さん宅も除染をされていました。彼女の夢をもって元気に活動する姿は、まさに復興の象徴であると思います。彼女にしかできない、囲炉裏に集まる憩いの、小さな美術館を造ればいいのです。私は、そんな彼女に惜しみなく応援をしたいと思います。 

大島さんから、道路の端に「和らぎ小さな美術館」という目印を作ってほしいと依頼されました。そして両面に「動いてこそ感動はやってくる」「ここにあなたの座る場所がある」という字も彫ってほしいと注文がつきました。早速私は取り組みました。そして今日、ふくろうの彫刻を取り付けた石の目印を設置いたしました。和子さんはとても喜んでくださいました。和子さんのお父さんがその前に腰掛けると、その風景はとてものどかで自然でした。 

私たちの生かされている時間は本当に短いものです。その間、お互いに感動を多く分かち合いたいものです。